カリスマ ドッグトレーナー、シーザー・ミランに聞いてみた

Photograph by NGC/ ITV Studios Ltd
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――これまで何頭くらいの犬をしつけてきたのですか。

 現時点では、数千頭になります。この仕事を始めて20年以上になりますから。

――犬のほかにも好きな動物はいますか。犬同様に訓練または意思を通わせたい、あるいはすでに通わせている動物はいますか。

 もちろん主に関心があるのは犬ですが、私自身はどの動物にも愛着をもっています。すべての動物はエネルギーとボディーランゲージでコミュニケーションを図るので、私はどんな動物とも意思を通わせられます。

 ただし、動物によって微妙な違いはあります。たとえば猫が尻尾を振るのは好意をもってあいさつしているのではなく、離れろという警告です。私のドッグサイコロジーセンター(犬の訓練施設)には多くの動物がいますが、とくに仲のいいのが、コンキスタドールという名前の馬とロレンツォというリャマです。この2頭とはよく意思が通じます。そのほかにヒツジ、ニワトリ、カメ、コンゴウインコを飼っていますが、犬と同じようにコントロールすることはできません。ただ、その方法を模索中です。研究所にいる犬が、どうすればよいかを私に教えてくれるのですよ。

――余暇の時間は、何をして楽しんでいますか。時には犬抜きで、休みを楽しむこともあるのですか。

 旅行であれ、食事であれ、だらだらとテレビを見るのであれ、家族と一緒に余暇を楽しんでいますよ。ただし、犬は私の家族も同然ですから、犬抜きでの休日はありません。家族で出かけるときは、必ず犬も連れて行きます。

Photograph by National Geographic Channels / Evelyn Hockstein
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――人間と犬の関係をどのように見ていますか。人間にとって犬とはどういう存在なのでしょう。なぜ私たちは犬を飼いたいと思うのでしょうか。

 人間と犬との関係が始まったのは、今から数万年も昔のことだといわれています。オオカミのなかで人間を恐れない群れが人に接近し、双方が一緒にいることにメリットを見出したのです。オオカミは人間の狩りを助け、人にとって脅威となる猛獣を撃退しました。人間もオオカミに餌を与え、保護してきたのです。人間とオオカミはペットとしてではなく、協力関係にある時代が長く続きました。その後、人間は犬にさまざまな役割を与え、今見るような多種多様な大きさや形の品種を生み出してきたのです。

 犬がペットとして広く飼われるようになったのは、都市とその郊外に生活する人が増えた20世紀に入ってからのことです。人が犬に餌を与え保護するかつてのような共生関係は今でも残っていますが、一般には私たちは犬を使って狩りをするわけでもなく、現在は仲間としての関係という側面が強いのです。私たちは犬に愛情をもって接し、犬もそれに応えてくれます。心にとめておかなければならないのは、犬が私たちに求めているのは愛情だけではなく、リーダーシップだということです。従来の関係の基盤となった保護と命令を与える存在が、彼らには必要なのです。