ハッブル望遠鏡 50の傑作画像 その5

極上の美
ハッブル望遠鏡が観測した天体のなかでもとりわけ有名な、棒渦巻銀河NGC1300。青く光る若い星や、輝く中心部から渦を巻いて伸びる腕、遠くで光る数々の銀河を精細にとらえている。「我を忘れて、ただぼうぜんとしてしまう」というリベイの言葉通り、多くの人々がこの画像に魅入られた。2点の画像をモザイク合成した。 NASA; ESA; HUBBLE HERITAGE TEAM, STSCI/AURA. P. KNEZEK, WIYN
[画像のクリックで拡大表示]
ホウグの天体
へび座にある「ホウグの天体」と呼ばれる銀河は、黄色い中心核のまわりを円形の青い環が取り巻き、その間にはほとんど星がないという、非常にめずらしい形をしている。地球からの距離は6億光年、直径は約12万光年で、銀河系よりやや大きい。黄色い中心核にある星のほとんどが古い星であるのに対して、青い環を形づくる星のほとんどが高温の若い大質量星で、20~30億年前に別の銀河がこの銀河をかすめて通ったときに誕生したと考えられている。NASA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA). Acknowledgment: Ray A. Lucas (STScI/AURA)
[画像のクリックで拡大表示]
巨大な楕円銀河
巨大な楕円銀河 NGC1316は、内部に塵の嵐が渦巻いていて、数十億年前に2つの渦巻銀河が融合することにより誕生したと考えられている。天文学者はNGC 1316内の赤い色をした星団を調べることにより、この銀河が激しい衝突によって形成されたことを確認した。NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA). Acknowledgment: P. Goudfrooij (STScI)
[画像のクリックで拡大表示]
超新星の爆風
宇宙に浮かぶ繊細なリボンのような不思議な天体は、銀河系内に広がる超新星残骸のガスの一部だ。西暦1006年5月1日頃、超新星爆発の光が地球に届き、アフリカ、欧州、極東の人々によって記録された(日本でも藤原定家が『明月記』にこの「客星」のことを記している)。現在SN 1006と呼ばれているこの超新星は、地球から約7000光年の距離にある白色矮星が一生を終え、大爆発を起こして吹き飛んだものである。SN1006は、おそらく人類が目撃した最も明るい星だった。その明るさは金星をしのぎ、月を除けば夜空の中で最も明るい天体だった。NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA). Acknowledgment: W. Blair (Johns Hopkins University)
[画像のクリックで拡大表示]
モンキーヘッド星雲
ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ24周年を記念して2014年に撮影されたモンキーヘッド星雲(NGC 2174)の画像。モンキーヘッド星雲はオリオン座にあり、地球からの距離は6400光年だ。こうした領域は「星のゆりかご」と呼ばれ、ガスと塵の雲が融合して若い星を形成している。NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)
[画像のクリックで拡大表示]
ふとっちょ銀河団の体重
2014年4月、ハッブル宇宙望遠鏡が収集したデータを使って、既知の遠方の銀河団の中で最も重いACT-CL J0102-4915銀河団の質量が推定された。スペイン語で「ふとっちょ」を意味する「エル・ゴルド」という愛称を持つこの銀河団は70億光年の彼方にある。天文学者は、エル・ゴルド銀河団の重力が背景の銀河の画像をどれだけ歪ませているかを測定することにより、この銀河団が太陽の3000兆倍もの質量を持つことを示した。これは、以前の見積もりより43%も重い。地球から比較的近いところでは同じくらい重い銀河団が見つかっているが、これだけ古い銀河団(現在138億歳と見積もられている宇宙が約半分の年齢だった時代の銀河団)でここまで重いものは、ほかに見つかっていない。NASA, ESA, and J. Jee (University of California, Davis)
[画像のクリックで拡大表示]
アンドロメダ銀河の最高解像度画像
銀河系のすぐ隣りにあるアンドロメダ銀河(M31)の一部のパノラマ画像。実に7398枚もの画像を組み合わせたもので、アンドロメダ銀河の広い範囲の画像としてはこれまでで最高の解像度であり、拡大すると1億個以上の星を見ることができる。NASA, ESA, J. Dalcanton, B.F. Williams, and L.C. Johnson (University of Washington), the PHAT team, and R. Gendler
[画像のクリックで拡大表示]
相互作用する銀河のペア、アープ242
長い尻尾のような形状のせいで「ねずみ銀河」の別名を持つアープ242は、天文学者がまとめた特異銀河のカタログの中でもとりわけ印象的な天体である。ハッブル望遠鏡の解像度の高い画像は、銀河の詳細な構造とともに、2つの銀河を結びつけている部分の複雑な構造も明瞭にとらえている。NASA, Holland Ford (JHU), the ACS Science Team and ESA
[画像のクリックで拡大表示]
わし星雲
NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team(STScI/AURA)
[画像のクリックで拡大表示]
タランチュラの心臓
タランチュラ星雲という別名を持つかじき座30星雲の中心部にある星形成領域。数百万個の星々が生まれているこの領域は銀河系の伴銀河である大マゼラン雲にあり、地球からの距離は17万光年だ。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したモザイク画像を詳細に見ていくと、個々の星を特定して、黒い塵の雲に包まれた星の赤ちゃんから、若くして激しい超新星爆発を起こす巨大な星まで、星の一生をたどることができる。NASA, ESA, D. Lennon and E. Sabbi (ESA/STScI), J. Anderson, S. E. de Mink, R. van der Marel, T. Sohn, and N. Walborn (STScI), N. Bastian (Excellence Cluster, Munich), L. Bedin (INAF, Padua), E. Bressert (ESO), P. Crowther (University of Sheffield), A. de Koter (University of Amsterdam), C. Evans (UKATC/STFC, Edinburgh), A. Herrero (IAC, Tenerife), N. Langer (AifA, Bonn), I. Platais (JHU), and H. Sana (University of Amsterdam)
[画像のクリックで拡大表示]

ナショナル ジオグラフィック2015年4月号では、専門家が厳選した、ハッブル望遠鏡の傑作画像10点を紹介しています。詳しくはこちらからどうぞ。

ナショナル ジオグラフィック2015年4月号
【書籍】ビジュアル ハッブル望遠鏡が見た宇宙 [コンパクト版]