ハッブル望遠鏡 50の傑作画像 その3

イバラの茂み
楕円銀河ケンタウルス座Aの円盤部を黒く横切る塵の帯の一部。細く伸びた塵の蔓が複雑に絡まり合い、そのあちこちで星形成領域がピンク色に輝いている様子は、イバラの茂みのようだ。ふだんは塵に隠れて見えないが、紫外線~近赤外線での観測結果を合成した画像では、高密度の塵の帯に、青く輝く若い星々がちりばめられているのがわかる。NASA, ESA, AND THE HUBBLE HERITAGE (STSCI/AURA)-ESA/HUBBLE COLLABORATION. ACKNOWLEDGMENT: R. O’CONNELL (UNIVERSITY OF VIRGINIA) AND THE WFC3 SCIENTIFIC OVERSIGHT COMMITTEE
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オリオン大星雲
オリオン大星雲は、オリオン座の三つ星の近くに見える。塵とガスが荒れ狂うこの星雲の深部では、数千個の星々が生まれようとしている。地球から星形成領域までの距離は1500光年だ。NASA,ESA, M. ROBBERTO (SPACE TELESCOPE SCIENCE INSTITUTE/ESA) AND THE HUBBLE SPACE TELESCOPE ORION TREASURY PROJECT TEAM
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極彩色の翼に抱かれて
この合成画像では、小マゼラン雲は極彩色の渦のように見える。小マゼラン雲は矮小銀河に分類される小さな銀河だが、地球からの距離が近いため、南半球や赤道付近では裸眼で見ることができる。NASAが1999年に打ち上げたチャンドラX線観測衛星は、最近、小マゼラン雲の「ウィング(翼)」領域の観測を行い、銀河系外の太陽に似た若い星が発するX線を初めて捉えた。NASA, ESA, CXC AND THE UNIVERSITY OF POTSDAM, JPL-CALTECH, AND STSCI
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天空の羽
レース状の羽を広げたチョウのように見えるが、これは死にゆく恒星が外層のガスを噴出している姿だ。ハッブル望遠鏡が観測した天体のなかでも人気が高いのが、このNGC 6302のようなユニークで色鮮やかな惑星状星雲の画像。「このような天体は、きわめて複雑な力が作用して生まれます」と専門家は語る。NASA; ESA; HUBBLE SM4 ERO TEAM
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網状星雲
1991年に撮影されたこの画像は、はくちょう座の網状星雲の一部を捉えたものだ。網状星雲は約1万5000年前の超新星爆発の残骸で、画像に写っている部分は、膨張を続ける衝撃波の外縁部である。衝撃波は星間ガスの雲に衝突してこれを輝かせ、ガスの組成に関する情報をもたらす。J.J. HESTER (ARIZONA STATE UNIVERSITY) AND NASA
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神秘の山
地球から7500光年の彼方にあるりゅうこつ座イータカリーナ星雲には、塵とガスからなる色鮮やかな「ミスティック・マウンテン(神秘の山)」がある。イータカリーナ星雲は星形成の舞台であり、その内部で生まれたばかりの超高温の星からの強烈な放射と荷電粒子が物質を吹き飛ばしている。ごつごつした岩山のように見えるのは、こうした侵食作用に耐えられる高密度領域だ。NASA, ESA, AND M. LIVIO AND THE HUBBLE 20TH ANNIVERSARY TEAM (STSCI)
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オメガ星団のパノラマ画像
ケンタウルス座オメガ星団のパノラマ画像。オメガ星団は約1000万個の星からなる巨大な球状星団で、この画像には中心部分の約10万個の星が写っている。球状星団は年老いた星々が重力によって束縛されている集団で、ライフサイクルの重要な段階にあるさまざまな星が見られる。NASA, ESA, AND THE HUBBLE SM4 ERO TEAM
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ふわふわな銀河
おおぐま座の渦巻銀河NGC2841は、ぼんやりした切れ切れの渦状腕を持つ羊毛状渦巻銀河である。地球から4600万光年の彼方にあり、他の渦巻銀河に比べて渦状腕での星形成率が低いことが特徴だ。NASA, ESA, AND THE HUBBLE HERITAGE (STSCI/AURA)-ESA/HUBBLE COLLABORATION. ACKNOWLEDGMENT: M. CROCKETT AND S. KAVIRAJ (OXFORD UNIVERSITY, UK), R. O'CONNELL (UNIVERSITY OF VIRGINIA), B. WHITMORE (STSCI), AND THE WFC3 SCIENTIFIC OVERSIGHT COMMITTEE
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有終の美
長いリボンを巻きつけたクリスマスツリー飾りのようなこの天体は、地球から数千光年の距離にある惑星状星雲NGC5189である。この画像は、2012年のクリスマス前に発表された。NGC5189のような惑星状星雲は、われわれの太陽のような平均的な大きさの星が、一生の終わりに短い時間だけ見せる姿だ。NASA, ESA, AND THE HUBBLE HERITAGE TEAM (STSCI/AURA)
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ステファンの五つ子
ここに写っているのは「ステファンの五つ子」と呼ばれる5つの銀河だ。一見、4つの銀河が多重衝突しようとしている画像のようだが、よく見ると、真ん中の銀河は2つの銀河が絡まり合ったものであることがわかる。左上の青みがかった銀河は他の銀河よりはるかに手前にあり、地球からの距離は7分の1しかない。遠方にある4つの銀河が赤みがかって見えるのは、年をとった星々が集まっているからだ。NASA, ESA, AND THE HUBBLE SM4 ERO TEAM
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