第140回 雨季を告げる雨、森は黄金色に染まった

「ニシダツノゼミ」のオス
雨季に入ってスグ、「ニシダツノゼミ(2015.2. 4番外編ニュース)」のオスに出会った。ウレシイ!これで4匹目となるが、これまでのものより色鮮やかだ。
体長:約10 mm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ
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 みなさま、ご無沙汰しております。新年度が始まり、テレビ取材や蝶の調査などでバタバタバタフライ状態でしたが、おかげさまでコスタリカ昆虫中心生活の連載は7年目を迎えることができました。今年度もどうぞヨロシクお願いいたします! 今回は、雨季を告げる雨とともに出会った昆虫たちと、その日の印象的な色の光景をご覧ください。

「雨季と乾季の狭間」。太平洋側(写真右側)からやってくる雲とカリブ海側(左側)からやってくる雲が、ちょうどモンテベルデバイオロジカルステーションの森の真上で、ぶつかり合っているようだ。
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 4月19日、スコールのような強い雨が、今年初めてドーッと降った。乾いて土ぼこりが舞っていた地面は一気に潤い、森の新緑がこちらに迫って来るような「勢い」に満ちる。それと同時に、名も知れぬ小さな昆虫たちがいっせいに飛び交い始めた。たくさんの昆虫たちを目にすると心が弾む。

 雨季の始まりは、風の強い乾季と打って変わって、風のないムッとした空気が漂ってくる。コスタリカの4月は年中で一番気温が高いのである。数日前の夜、太平洋側で入道雲が現れ、イナズマが走っていたので、雨季が近づいているのだろうと思っていた矢先の強烈な雨だった。

イナヅマの夜。モンテベルデから太平洋側の海を望む。雷が光ると、空が青く明るくなり、海面が紫色に輝く。
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 2時間ほどすると雨はやみ、日が差し込んだ。雨粒に飾られた宝石のようなキラキラ昆虫たちが目に付く。しっとり軟らかくなった朽木からは、甲虫たちが目覚めてくる。雨と気温の上昇が、植物の成長と腐敗を活性化させ、それらを求める昆虫たちを活発にさせる。

サルハムシの仲間のコラスポイデス・ベイツィColaspoides betesi。交尾中のオスとメス。雨上がり、食草のTrichilia havanensis(センダン科)の若葉の裏で。体長は約7 mm。
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ヴェトゥリウス・スィヌアティコリスVeturius sinuaticollis(甲虫目:クロツヤ科)の成虫が雨の降る直前に朽木から出てきた。体長は約25 mm。
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