第4回 本当に恐ろしい「カルデラ噴火」とは

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「噴火を予知するという時に、マグマが上がってきて、地震が起こったり、地殻変動が起こったりして、噴火すると考えてきたわけです。それは、かなり分かるようになってきたわけですが、やっぱりできてないことがあって、そのひとつが、2014年9月の御嶽山のような水蒸気爆発ですね。噴火の規模自体は小さいんです。だから、これまでの観測では捉えにくかった。夜中に起こっていれば、多分、小さい新聞記事が出るだけで終わっているぐらいの、そういったレベルの噴火であったというふうに思います。土曜日で天気もよくてお昼だったっていうのは、本当に最悪のタイミングでした」

 噴火の規模がそのまま被害の規模を決めるわけではない。人命に関して言えば、人がいなければ大きな噴火でもゼロだ。そして、その逆も然りなのだ。

「小さい噴火でも、そこに人がいれば、災害として非常に大きくなります。その対策を、やっぱりやらなきゃいけないっていう気運が高まっています。気象庁は、水蒸気爆発の可能性があるところを、特に山頂近郊に観測点をいっぱいつくってケアしようという動きをしています。箱根も水蒸気爆発を想定していますので、なおさらです」

 その一方で、極大な噴火であるカルデラ噴火はどうか。

「これは、我々が体験したことがないものだから、予測しにくいんです。日本ですと、一番最近のカルデラ噴火は、7300年くらい前、鹿児島県の鬼界カルデラができた時の噴火だと言われています。1万年に1回の噴火を我々がどう扱うのか、というのが難しいところです。水蒸気爆発などですと、回数でいえば、すごく沢山起きているはずなのですけど、我々が見逃してきたわけです。でも、カルデラ噴火は滅多に起こりません」

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 いきなり時間のスケールが「万」に近いところまで飛んでしまった。

 鬼界カルデラの噴火といえば、縄文時代の九州を一時、壊滅状態に追い込んだとされるものだ。その規模の噴火が、今の日本で起きたら、それはもう大変なことになる。想像を絶しているので、あえて想像しないが、それこそ「○○壊滅」という表現がアオリではないような事態になりかねない。

 しかし、考えてみれば、火山についての理解を進めることによって、カルデラ噴火についての見通しも立てやすくなるはずであって、まさに藤田さんのような方に、どんどん研究していただき、火山物理学をより精密な体系に導いていただきたいものだと切に思う。マグマと地殻が織りなす自然現象としての火山噴火を少しずつ理解していく先に、ミクロ方面で掴みにくい水蒸気爆発も、巨大すぎて滅多にないカルデラ噴火も、すっきり理解できる道筋が立つかも知れない。

 そのためには、やはり地表の観測や、人工衛星の観測を積み重ねて、実際の噴火のデータをとり続けることが大事だろう。

 と同時に、藤田さんの研究室では、もう1つの武器がある。