それは通常任務のはずだったー。アメリカ史上最悪の救出作戦。

イラク戦争の重要な転機となった武力衝突事件“ブラックサンデー”。日本ではあまり知られていないその実際の出来事を、ナショナル ジオグラフィックが総力を挙げて克明に描いた全8話のドラマ「ロング・ロード・ホーム」。その時、イラクの最前線で何が起きていたのか。死の恐怖と直面した兵士たちは何を思い、どう行動したのか。見る者の胸を揺さぶる感動と緊迫の戦争ドラマ大作!

ブラックサンデーとは?

 2004年4月4日(日)。バグダッドの貧困地区サドル・シティで発生したアメリカ軍とイラク武装勢力による武力衝突事件。パトロール中の米陸軍第1騎兵師団の小隊が、連合軍暫定当局による占領支配に反対するシーア派指導者ムクタダ・アル・サドル師の創設した民兵組織「マフディ軍」に襲撃され、駆け付けた米軍援護チームを交えた戦闘へと発展。8人の米兵が命を落とし、51人が負傷する惨事となった。この事件を皮切りに「ファルージャの戦闘」などイラク各地で米軍と武装勢力との戦闘が勃発し、当時既に有志連合軍によるイラク進攻から1年余り、復興支援へと移行していたイラク戦争は泥沼化していくこととなる。さらに、サドル師の強い影響下にあったサドル・シティ(もともとはサダム・シティと呼ばれていた)は、その後4年以上に渡って米軍やイラク治安部隊によって包囲された。

絶体絶命の危機に直面した兵士たちの葛藤

 市街地で武装勢力によって襲撃され、逃げ込んだ建物で本部からの救援を待って籠城する兵士たち。いずれも実戦経験のない若者ばかりだ。サドル・シティはイラクで最も安全な場所だと聞いていたのに、自分たちは卑劣な独裁者サダム・フセインからイラクの人々を解放したのに、なぜこんな目に遭わなくてはいけないのか。周囲を敵に囲まれた彼らは、生まれて初めて直面する死の恐怖におののく。そんな極限状況下で、兵士たちの理性と勇気、団結力と友情が試されていく。国家の掲げる大義名分と戦場の悲惨な現実、その大きなギャップに苦しみ葛藤する若者たち。そして、人を殺すという戦闘行為の重み。相手には子供や老人も含まれている。その悪夢のような経験の中で、彼らは何を考え、どう行動していくのか。

故郷で待つ家族たちとの深い愛情

 本作は、アメリカ本国で兵士たちの帰りを待つ家族たちの姿にも焦点が当てられる。涙をこらえて笑顔で夫を送り出す気丈な妻たち、幼いなりに状況を理解して複雑な想いを抱く子供たち、不安や心配を隠しきれない親兄弟たち。誰もが願うのはただ一つ、愛する人の安全と無事だ。武器を手にした勇猛果敢そうな兵士たちも、ひとたび戦闘服を脱げば、どこにでもいる平凡な父親であり、夫であり、息子であり、兄であり、弟である。そんな彼らと家族との深い絆と愛情は、感動的なドラマを通して、軍人が払わねばならない犠牲の大きさ、それ故の勇気と責任感の尊さを浮き彫りにする。そこに描かれるのは普遍的なヒューマニズムだ。

戦争映画のエキスパートたちが描く骨太な実録ドラマ

 マーサ・ラダッツの原作本を脚色したのは、’08年にロシアとジョージア(グルジア)との間に勃発した南オセチア紛争を描いた映画『5デイズ』(’11)の脚本で知られるミッコ・アラン。彼は’10年に起きたチリの鉱山落盤事故の生還劇を描いた『チリ33人 希望の軌跡』(’15)の脚本も手掛けており、戦争物や実録物を得意とする脚本家だ。さらに製作総指揮には、アカデミー賞3部門に輝く『帰郷』(’78)や、同じくアカデミー賞4部門獲得の『プラトーン』(’86)、ベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞した『シン・レッド・ライン』(’98)など、数々の名作戦争映画の制作に関わってきたベテラン・プロデューサー、マイク・メダヴォイが参加。戦争映画を知り尽くしたエキスパートたちが新たに贈る、骨太な実録戦争ドラマとしても要注目だ。

■60分×8話

二カ国語版&字幕版、同週放送!
※二カ国語版のみ6チャンネル合同放送です。
放送の詳細は番組ページへ (外部サイトへリンクします。)

2017/11/01 更新