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野生の動物たちはこんなにも美しい 写真10点

2018.05.21
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野生動物の写真家、前川貴行氏が世界各国で撮影してきた美しい動物たち。

 自然のなかで、野生動物を追いかけながら人生を送ろうと決めたのが、26歳のころ。あまり早くはないかもしれないが、遅すぎたとも思わない。そもそも、やるべきことが見つかっただけでも、光明を見出せた。

 二十代の僕には、時間はたっぷりとあった。野生動物を求めて日本国内をめぐるようになり、そのうちに北米やアフリカをはじめとする海外のフィールドまで出かけるようになった。動物と自然、そして写真が好きだからやっているだけで、その他に理由はない。いまは動物の写真を撮ることで収入を得て、その金でまた取材へと出かけることを延々と繰り返している。

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ニホンザル(Photograph by Takayuki Maekawa)

 写真を撮り始めたころは、迫力にあふれた未知なる物語を描くこと、生き物たちをとにかく魅力的に見せることを目指した。その感覚はいまも変わらず持ち続けている。

 ただ、生き物たちに長く向き合っていると、当初はあまり意識をしなかったようなことをあらためて思うようになった。大海原に舞うクジラでも顕微鏡でのぞく微生物でも、生命は姿形がそれぞれ独特で、見れば見るほど神秘的だ。暮らしぶりだって千差万別で、わざわざこんな厳しい環境にすまなくてもと思ったり、そのたくましさに衝撃を受けることもしょっちゅうある。とてもじゃないが彼らにはかなわないと痛感する。

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ライオン(Photograph by Takayuki Maekawa)

 一方で我々人間はどうだろうか。野生動物たちが暮らす土地を、自分たちに都合のよいように開拓し続けてきたため、彼らの生きる世界が日増しに減少している。その上で、仕方なく人間の生活圏内に出てきた動物たちは、害獣として駆除されてしまうことが当たり前だ。それに農薬や化学物質などの行き過ぎた汚染は、人間より先に野生動物たちに悪影響を及ぼしてきた。

 我々のせいでたくさんの生き物たちが日々絶滅するのは、もういい加減やめなければいけない。知恵を出し合い共存する、いまよりマシな道を見つけないと。地球という惑星にすむ生き物たちはこんなにも美しいのだから。

【この記事の写真をもっと見る】ギャラリー:野生の動物たちはこんなにも美しい 写真あと7点

写真展、写真集のご紹介

前川貴行写真展「creation:」キヤノンギャラリー

地球が生み出した野生動物という創造物「creation:」。陸海空のさまざまな命を求めて、14カ国約20年にわたる取材を重ねた前川貴行の集大成。

2018/5/31~6/6 キヤノンギャラリー銀座
2018/6/21~6/27 キヤノンギャラリー名古屋
2018/7/12~7/18 キヤノンギャラリー大阪

写真集「creation:」

新日本出版社・定価7200円+税・2018/6/15発売
364mmx240mm 128ページ 上製本「写真展会場で先行発売」

見る程に魅力に引き込まれる珠玉の写真を厳選した、大判で迫るベストショット集。

文・写真=前川貴行

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