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自分が通っているヒューストン大学のキャンパスで友人らと笑い合うハンナ・アジラミさん。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO, NATIONAL GEOGRAPHIC)

目を見張る広がりと多彩さ、米国のイスラム教徒たち 写真10点

2018.05.07
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 2000年にインドへ移り住み、アジア各地のムスリム(イスラム教徒)社会を撮影したリンジー・アダリオ氏は、イスラム教とそれを信仰する人々に対して、微妙に異なるさまざまな見解があることを知った。ところがその後米国へ帰省してみると、イスラム教がすべてひとまとめにされ、一面的な見方しかされていないことに気がついた。アダリオ氏が海外で目にしたものは、米国ではほとんど理解されていなかった。

 これをきっかけに、アダリオ氏は全米各地のムスリム社会と関わり、彼らの多様な物語を伝えようと思い立つ。アダリオ氏の写真は、「ナショナル ジオグラフィック」2018年5月号の特集「米国で生きるムスリムたち」に掲載されている。この撮影を通して経験したことや、これがいかにして自分自身の信仰を見つめ直すきっかけになったかについて、話を聞いた。

ニューヨークで、自由の女神や自然史博物館などの名所を観光するシリア難民の団体。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO, NATIONAL GEOGRAPHIC)

――ムスリムの世界を18年間撮影してきたそうですが、ご自分の国である米国のムスリム社会にレンズを向けようと思ったのはなぜですか。また、この撮影は、自身にとってどういう取り組みでしたか。

 私は米国で育ちましたが、2000年からずっと海外に住んでいます。まずインドへ移り住み、タリバン政権下におけるアフガニスタンの人々の生活を撮影し始めました。以来、南アジアから中東、アフリカを転々としながら、世界中のムスリム社会を訪れました。そのたびに、少しずつ違うイスラムの姿が見えるようになりました。(参考記事:「サウジアラビア ベールを脱ぐ女性たち」

 一口にイスラム教といっても、教義の解釈も違えば、信仰する人々も様々です。ところが、家族に会うために米国へ戻り、ニュースを見たり周囲の会話を聞いていて、いやおうなしに感じたのはイスラム教やムスリム全体に対するひどく画一的な見方でした。ムスリムは全員同じといわんばかりに、十把一絡げにされていたのです。これには驚きました。きわめて無知なことだと思いました。そこで数年前、ムスリムたちの物語を伝えて、この宗教の広がりと多彩さを知ってもらおうと思い立ちました。(参考記事:「アフガニスタン 女たちの反逆」

テキサス州トンボールの農場で、テキサススタイルのピクニックを楽しむムスリムたち。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO, NATIONAL GEOGRAPHIC)

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ナショナル ジオグラフィック日本版
2018年5月号

特集「米国に生きるムスリムたち」を収録

このほか、「ピカソはなぜ天才か」「恐竜から鳥へ」などを掲載しています。

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