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ボールニシキヘビ、コーンスネークと過ごすエリザベータ・ラフリエンコさん。ロシア、サンクトペテルブルクのアパートにて。(PHOTOGRAPH BY JANA ROMANOVA)

ヘビのいる生活、不意をつかれる写真16点

2017.10.06
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 古代ギリシャで多産と再生の兆しとされるなど、人は数千年にわたり、ヘビを崇めたり、ののしったりしてきた。今日でもヘビは、「こわいもの」という固定的なイメージがある一方で、家庭で愛されるペットにもなっている。

 ロシアに拠点を置く写真家ヤナ・ロマノワ氏は、根深いヘビ恐怖症の持ち主だ。まさにその恐怖症ゆえに、彼女は自国の各家庭で飼われているペットのヘビを撮影する1年間のプロジェクトに乗り出した。ロマノワ氏いわく、ヘビの飼育が広まったのはソビエト連邦の崩壊後だという。(参考記事:「珍しい動物のペットが中国で人気上昇、心配の声も」

アンドレイ・シンケビッチさんとビルマニシキヘビ。ロシア、サンクトペテルブルクの自宅で。(PHOTOGRAPH BY JANA ROMANOVA)
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「自分自身の恐怖症の経験を掘り下げ、人がヘビをペットとして飼いたいと思う理由を探りたかったのです」とロマノワ氏は話す。

 しかし、ロマノワ氏の写真は単にヘビが写っているのではなく、「身近な環境にいるヘビの写真」だ。見る者の不意を突くように構成したと彼女は言う。

 たとえば、戸棚を滑りながら進むボアコンストリクター、あるいはアイロンをぐるりと取り巻くアミメニシキヘビ、ヒョウ柄プリントの冷蔵庫にくっついたマグネットの間を進んでいくコーンスネークなどだ。

ロシア、サンクトペテルブルクにある写真家ロマノワ氏の自宅で冷蔵庫の上を這うコーンスネーク。飼い主のラベン・アサカビさんが、お客として連れてきたものだ。(PHOTOGRAPH BY JANA ROMANOVA)
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よくある誤解に一石を投じる

 模様と質感の組み合わせを巧みにとらえた写真は見た目に面白いだけでなく、よくある誤解に一石を投じる意図もある。撮影を進める中で、ロマノワ氏自身がそれを経験した。

「初めはヘビの写真を見ることもできませんでした」とロマノワ氏は言う。「今は、1匹ペットにするのも平気な気がします」

 説明できなかった恐怖を探ることで、ロマノワ氏はさまざまな恐怖症の根源を以前より深く分析できた。

「ヘビに対する恐怖の大半は、文化的な言及のされ方から来るものです」と彼女は言う。「ホラー映画だったり、ヘビは危険だと親が子どもに教えたり。あるいはいい加減なニュース記事が、ペットのヘビが飼い主を食べたという話を報じたりすることもあります」(参考記事:「【動画】激闘!ヒョウ vs 巨大ニシキヘビ」

キッチンに立つエリザベータ・ラフリエンコさんにコーンスネーク(左)とボールニシキヘビ(右)が巻きつく。ロシア、サンクトペテルブルクのアパートで。(PHOTOGRAPH BY JANA ROMANOVA)
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 男性が多くヘビを飼っていたことにも、ロマノワ氏は驚かされた。

「ヘビを飼うのは女性が多いのだろうと思っていました。女性にヘビが巻きつく写真をたくさん目にしていたので、潜在的にそう思っていたのでしょう」(参考記事:「風変わりなペットたち」

ソビエトにまつわるステレオタイプ

 ロマノワ氏の探求は、彼女が「ソ連後の美意識」と呼ぶものへの挑戦でもあった。(参考記事:「ソ連時代の鉱山、時が止まったような街と人々の暮らし 21点」

「ソ連崩壊後のロシアや他の国々が一般にどう思われていて、それがいかにワンパターンかを表す、根強い決まり文句が世の中にはあります」とロマノワ氏。

ロシア、サンクトペテルブルクのアパートで飼われているニシキヘビ。(PHOTOGRAPH BY JANA ROMANOVA)
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 ソ連後の家庭の典型的な部屋の中にヘビがいる風景を撮ることで、ロマノワ氏はヘビへの恐怖感だけでなく、ロシアへの恐怖感にも疑問を投げかけている。(参考記事:「ロシア プーチン世代の若者たち」

「2つのうちどちらかのエキゾチックなイメージを強めたり、あるいは薄めたりできただろうかと考えました」とロマノワ氏。「でも、答えはまだ出ていません」

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