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ハイチのカーニバル。創造力豊かな衣装に身を包んだ人々のポートレートを撮影した。(PHOTOGRAPH BY CORENTIN FOHLEN)

ハイチの祭り、創造力が爆発するカラフル仮装15点

2017.02.23
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 カリブの島国ハイチにおいて、祝祭とは魂の浄化(カタルシス)だ。

 そんなこの国最大の祝祭が、マルディ・グラ(キリスト教の祝日)の前に数週間にわたって行われるカーニバルである。

 ハイチのカーニバルは、100年以上にわたり様々な街で続けられてきたなかで、この国独自のクレオール文化を体現する場となった。過去に中止になったのは、2010年のハイチ地震(M7.0)のときだけ。あれから7年がたった現在、ハイチは世界の最貧国の一つに数えられ、近年ではコレラの流行にも苦しめられている。その中でカーニバルは、この島の人々の復活力を象徴する存在となっている。(参考記事:2015年12月号「苦難に負けない ハイチの誇り」

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 ハイチの苦境を伝えるニュースの繰り返しに心を痛めていたフランス人写真家のコレンティン・フォーレン氏は、ハイチ南部の小さな街ジャクメルに赴いた。そして、虐げられた大衆として表現されがちな人々の創造力とスピリットを写真に収めた。

「ハイチと言えばいつも貧困が話題になりますが、私に言わせれば最も豊かな島の一つです。金銭的にではなく、人の想像力が豊かなのです」とファーレン氏は言う。

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 撮影を始めるにあたり、ファーレン氏は、カーニバル会場に近い歩道に即席の撮影スタジオを設置した。個性的な衣装を身に着けた島の人々のポートレートを撮るためだ。ファーレン氏には、島民一人ひとりに焦点を当てることで逆に彼らを力づけることができたらという思いがあった。

 ハイチのクレオール文化は、島に定着したフランス、カリブ、アフリカの文化が混ざりあったものだ。祭りに参加する人々は、大いに芸術性を発揮して、こうした文化を自分たちのカーニバル衣装に織り込んでいく。ペンキを全身に塗ったり、仮面を付けたりといった衣装の数々は、社会全体に深く染み付いている格差から、人々が逃れるための手段でもある。

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 衣装には紙の張り子で作られているものと、肌にペンキを塗ったものが多い。なかにはブードゥー教の呪術師やアフリカの野生動物を模したもの、幻想的な雰囲気を漂わせるものもある。社会が不安を抱えている時期には、衣装にも皮肉や政治的な批評が反映される。(参考記事:「ハイチ、ブードゥーの信仰と地震」

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 ハイチの人々のポートレート写真を通じて、どんなことを伝えたいのかとの問いに対し、ファーレン氏は何もありませんと答えている。ハイチの人々は、自分たちの物語が外部の人間によって語られることが多い。ファーレン氏は、自分が撮ったポートレートによって、いつもとは異なるハイチの一面、つまり「貧困、暴力、人道主義的な問題とはかけ離れた」姿を、シンプルに見せることができたらと願っている。

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参考記事:
「ヨーロッパの伝統的な祭りに登場する獣や魔物、悪霊の姿をした男たち」
「外国人写真家が撮った「妖怪の島、ニッポン」」

文=Sarah Gibbens、写真=Corentin Fohlen/訳=北村京子

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