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  • 朝の日差しの中、機関車の運転室で発車前の静かなひとときを過ごすウイグル族の機関士。この炭鉱鉄道で運行を担う機関士・副機関士28人のうち、6人がウイグル族だった。
  • 無蓋車60両を連ね、石炭を運ぶ貨物列車。機関車を最後尾にも増結し、勾配を上りつめていく。
  • 標高4000メートル級の山々が連なる天山山脈を仰ぎ見ながら、白い蒸気をたなびかせて列車は走る。
  • 北京に朝日が昇る頃、新疆はまだ闇に包まれている。氷点下20℃の深夜から待機する機関車の換気口は凍りつき、機関士が潤滑油に火をつけて解かしていた。
  • 30年近くこの仕事を続けてきた漢族の機関士。「あと1~2年の間に蒸気機関車は全廃されるだろう。そう思うと寂しさを感じるようになった」という。
  • 機関車の修理工場にて。この炭鉱鉄道では、老朽化が激しい機関車を修理しながら、現在も稼動を続けている。
  • 機関車の修理工場にて。鉄路を長年走り続けてきた大きな動輪の赤い塗装は、あちこちがひび割れていた。
  • 明け方、待機線に整然と並ぶ蒸気機関車。この地区にあった露天掘りの炭鉱はすでに閉鎖され、同じ光景はもう見られない。
  • 貨車に乗り込む炭鉱労働者たち。夜勤組と交代するため炭鉱に向かう。
  • 前と後ろに連結した機関車から、盛大に蒸気を吐いて列車は走る。この炭鉱路線では、現在も十数両の機関車が現役として稼動している。
  • 機関車を最後部に連結して炭鉱に向かう列車。無蓋車の先頭に鉄道員が乗り込み、運行の指示を出す。
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 中国大陸を走る蒸気機関車の勇姿に魅せられ、1990年以降、80回以上の訪中を重ねて撮影を続けてきた。本誌2015年9月号「写真は語る」に、写真と手記を掲載した。

 1969年、新潟市生まれ。今から25年前、吉林省の長春機関区で初めて中国の蒸気機関車と対峙した。
「盛大に吐き出す白い蒸気、大地を揺るがす勢いで走り迫る真っ赤な動輪。つま先から全身に伝わってくるような蒸気機関車特有の鼓動は圧倒的でした」と振り返る。

 中国東北部の主要路線をはじめ、各地で活躍していた蒸気機関車はその後、年を追うごとに淘汰されていった。中国国鉄の総延長は1990年当時の5万キロから今や11万キロに達し、各都市を結ぶ高速鉄道網もすでに1万キロ以上に及ぶ。多くの中国人にとって、蒸気機関車は遠い過去のものになりつつある。

 ところが西域にある新疆ウイグル自治区三道嶺の炭鉱鉄道では、今も蒸気機関車が現役で走っている。そこには、まるで時空を超えて四半世紀前の中国に逆戻りしたかのような「鉄路の原風景」があった。5年ほど前までは、30両近くもの建設型機関車がここで稼働していた。建設型は戦後の中国で主に貨物輸送に使われてきた機関車で、炭鉱の操業規模の縮小に伴い数は減ったが、現在も十数両が稼働中だ。いずれも老朽化が激しいが、修理を重ねながら、地元の産業を支えてきた。

 炭鉱は24時間体制で操業し、機関車も昼夜を通して走り続ける。「中国最後となる蒸気機関車たちは、辺境の大地で息絶えるまで煙を上げて走るでしょう。そこは現役蒸気機関車の最後の“聖域”なのです」


『ナショナル ジオグラフィック日本版』2015年9月号「写真は語る」を基に構成した。

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