• <b>米国</b><br>ニューヨーク近郊のタリータウン付近にて。ティム・バートンの映画にもなった「スリーピー・ホロウ」の伝説の舞台として知られるが、夕刻、木々の間から見えたのは“伝説の首なし騎士”ではなくジョギングを楽しむ人たちだった。
  • <b>マダガスカル</b><br>夜の静寂に包まれたバオバブの森は、ほかの惑星の風景のようだ。ツルリとした樹皮に覆われたバオバブの木は、幹や枝にも葉緑素をもち、光合成ができる。
  • <b>カメルーン</b><br>コーラップ国立公園で見つけた、幹にびっしりと赤い実をつけた木。氷河期から続くという原生の森を進むと、奇妙な被写体が次々と現れる。
  • <b>米国</b><br>雪解け水で湿地のようになったイエローストーン湖のほとり。春の訪れとともに雪が解けると、枯れ草や倒木が姿を現す。
  • <b>カナダ</b><br>メープル街道沿いのローレンシャン高原を数年ぶりに訪れた。曇り空の下で撮影を始めたこの日、思いがけず雲間からの陽光が紅葉を照らしてくれた。
  • <b>カナダ</b><br>黄色や真紅、色とりどりのメープルの葉が雨上がりの日差しを浴びる。この葉を「国旗の真ん中に据えたい!」と考えたカナダ人の気持ちにもうなずける。
  • <b>米国</b><br>早春のイエローストーン国立公園。雪の重みに耐えられなかった、たくさんの倒木は、やがて朽ちて大地を肥やし、新しい生命の糧となる。
  • <b>米国</b><br>カリフォルニア州インヨー国有林のブリスルコーンパイン(写真は根の一部)は、標高3000メートル付近の厳しい環境で4000年以上も生きてきた。青白く枯れた部分を自らの栄養にして、赤い部分が未来へと生き続ける。
  • <b>米国</b><br>インヨー国有林の高山で4000年以上も生きるブリスルコーンパイン。小さな谷間に、その松ぼっくりがぎっしりと堆積していた。赤みを帯びたものはまだ新しいが、古くなると青白く乾燥し、最も古いものは白骨化したように見える。
  • <b>日本</b><br>東北の白神山地といえば世界最大級のブナの原生林で知られる。だがこの山地にも、広葉樹に針葉樹が混じった森がひっそりと息づいている。針葉樹の黒々とした幹の向こうに金色に輝くブナ林が広がる光景は、どこか歌舞伎の舞台背景を思わせた。
  • <b>日本</b><br>白神山地の森にひっそりと咲くクルマムグラの白い花を、クジャクシダとスミレサイシンの葉が囲む。森のブーケのように思えた。
  • <b>カナダ</b><br>ケベック州のトランブラン湖。朝もやに覆われていた湖面が、太陽が昇るとともにうっすらと姿を現し、やがて対岸の紅葉も少しずつ見えてきた。
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 希少な自然や文化など、「未来に残したい」対象をテーマとして取り上げてきた。20年にわたって世界で撮り続けたなかから、24カ国の森を収録した写真集『森 PEACE OF FOREST』を2016年に出版。幻想的な水辺の森や、夜のバオバブ、紅葉の白神山地といった多彩な森の情景を、本誌2016年6月号に掲載した。

 1963年福岡県生まれ。三好和義氏に師事した後、独立。シルクロード横断、フェルメールの全作品の撮影など幅広く活動するかたわら、ライフワークとして、世界各地の森をこつこつと撮ってきた。

 森を歩いていると、「生」と「死」の循環をさまざまな形で目にするという。なかでも強烈な印象を残したのが、米国カリフォルニア州のインヨー国立公園で出会ったブリスルコーンパインだ。

「この木のことは、実はナショナル ジオグラフィックで知りました」。1950年代の英語版の誌面で、「地球に現存する最古の生物」として紹介されていた木だ。なんとしても探し出そうと全長7キロのトレイルをひたすら歩き、夕暮れを迎える頃になって、ついにたどり着いた。

「過酷な環境の高山で4000年以上も生き続けているその木は、幹や根がグネグネと曲がりくねり、異様な形相でした。一部が朽ちても、枯れた部分を栄養にして、別の部分が生長を続けていくのです。その姿に、強いエネルギーを感じました」

 カメラを手に撮影するときには、光や構図をめぐって多くの決断を下していく。基準となるのは視覚からの情報だ。だが、世界の森を長年撮り続けるうちに、「森や自然の中では、目で見たことがすべてではない」と思うようになった。

「森にいると、僕らのどこかに眠っている“生き物”としての感覚がよみがえる。その感覚を目覚めさせることができた者を、大自然はより深く迎え入れてくれるのです」


『ナショナル ジオグラフィック日本版』2016年6月号「写真は語る」に、写真を追加して掲載した。

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