米国が極秘にUFO研究、過去を含め成果は?

1947年のロズウェル事件に始まり、現在も続いている

2018.01.05
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 それよりも、もっと大きな問題があるとショスタック氏は話す。今回報じられたペンタゴンによる計画に注ぎ込まれた資金の大部分が、航空宇宙産業で成功した資産家、ロバート・ビゲロー氏が設立した企業に流れていたことだ。ビゲロー氏は宇宙人の訪問を長く信じており、近年、同氏の企業は風船のように膨らむ宇宙居住棟を開発している。ビゲロー氏とネバダ州選出のハリー・リード上院議員(当時)の会談後に始まった計画には、5年間で少なくとも2200万ドルが投入された(2012年に終了したとされるが、形を変えて存続しているかどうかはまだ明らかではない)。(参考記事:「米社が月面採掘計画、土地の所有権は?」

 新たに報じられた記事には、興味深い内容が山のようにある。ビゲロー氏の施設が保管しているという、地球上の物ではないような合金や、米海軍のパイロット2人が目撃した物体を撮影したとされる映像などだ。

 とはいえ、計画の成果について公になった大半の内容は、内部の関係者が自身の印象を記者に伝えたものなど、せいぜいでまた聞きの情報だ。リード上院議員のように、さらなる調査に値する有力な証拠があると主張する人もいるが、詳細は宇宙人と同じくらい不確かなままなのだ。

 米カリフォルニア大学バークレー校SETI研究センターの所長アンドリュー・シーミオン氏は、「説得力のある証拠による裏付けがなければ、現象のどんな描写も客観的とは言えません。そして、過去数十年間でさまざまなUFOや誘拐の現象が報告されていますが、そのような証拠はありません」と話す。「しかも、天文学者たちは種々の望遠鏡や技術を使い、生涯を費やして上空に目をこらしていますが、正体不明の宇宙船の写真1枚すら、いまだ撮れていないのです」(参考記事:「謎の「高速電波バーストの嵐」が発生、正体不明」

 宇宙人は実際にいて、私たちは彼らの訪問を受けているのか。答えを探す取り組みがこれまでに行われ、今も続いている。研究活動が始まった前世紀半ばは、まさに関心の最盛期だった。これまでの主な動きを紹介しよう。

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