【動画】おねだりしあうエビと魚、微笑ましい光景

「お掃除エビ」がえらの中にまで、おねだりの合図が研究で判明

2018.07.11
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寄生虫を食べ、傷も治りやすく

 しかし魚はなぜ、一般的には獲物となるはずのエビに自分のうろこやえらを掃除させて、さらには口の中に入ってくる相手まで食べずにおくのだろうか。(参考記事:「サンゴ礁の掃除魚、“制服”で存在示す」

「サンゴ礁に生息する魚は大量の寄生虫にたかられるため、掃除をしてくれる生物がいなければ健康を害する可能性があります」と、米オーバーン大学の海洋生物学者、ナネット・チャドウィック氏は言う。そのため彼らは、食物や交尾よりも掃除を優先させるほどなのだという。

 魚は、クリーナーシュリンプが導入されたサンゴ礁に移り住む。もしエビが取り除かれた場合には、「大きな魚は移住していなくなり、小さくてあまり遠くまで移動できない魚は死んでしまうこともあります」とチャドウィック氏は言う。

 米国自然博物館のベンジャミン・タイタス氏によると、ぺダーソンシュリンプは「献身的な掃除屋」で、生涯のすべてをこの仕事に捧げているという。主に寄生虫を食べるが、傷ついて死んだ組織も取り除いてくれるため、傷の治癒も促進される。

スポッテッドゴートフィッシュ(写真はフロリダの個体)は、頻繁にクリーナーシュリンプに掃除をしてもらう。(PHOTOGRAPH BY AMAR AND ISABELLE GUILLEN, ALAMY)
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 クリーナーシュリンプはまた、多様なイソギンチャクとも互いに利益のある共生関係を築いている。毒のある触手の中はシュリンプにとって安全なすみかとなり、その見返りはおそらく、シュリンプに掃除されている魚から放出される栄養分ではないかと考えられる。

 魚は「サンゴ礁を泳ぎ回っているときに、遠くからぺダーソンシュリンプを見つけるための目印としてイソギンチャクを活用しているほどです」とチャドウィック氏は言う。(参考記事:「【動画】カニの背に乗るウニ、トゲの間には魚!」

進化する協力関係

 今回の研究によって、捕食者と獲物の関係になり得る異なる種同士が、どのようにして互いに争わず、コミュニケーションを取るように進化してきたかを示すさらなる証拠もケイブズ氏は発見したという。(参考記事:「カニがイソギンチャクのクローン作り共生維持か」

「今の時代、協力につながる進化的基盤を理解することは、特に重要ではないでしょうか」と氏は付け加えた。

文=LIZ LANGLEY/訳=北村京子

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