メキシコ肉食コウモリの飛翔 撮影の真相

ナショジオ2018年7月号特集記事、撮影の舞台裏を写真家に聞いた

2018.07.09
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【動画】写真家のアーナンド・バルマ氏は、ウーリーヘラコウモリが狩りをする様子の撮影に挑んだ。ユカタン半島の熱帯雨林の奥深くで行われたその撮影に迫る。(解説は英語です)

 米大陸で一番大型のコウモリにあたるのが、ウーリーヘラコウモリとチスイコウモリモドキだ。どちらも肉食で、ネズミ、カエル、鳥などの獲物を狙う。どちらも、中米から南米にかけて広く分布している。

 チスイコウモリモドキは、大きいもので翼を広げると1メートルに達する。その野生の姿を写真に収めるのは難しい。というのも、肉食コウモリは用心深く、動作も速い。しかも、コウモリが行動するのは撮影に不向きな夜ときている。照明をたいて待っていても、コウモリがそこに姿を見せることなど、まずないのだ。

 2015年から、ナショナル ジオグラフィック誌に動物写真を寄稿する写真家アーナンド・バルマ氏は、2018年7月号で、この難題に挑んだ。

バルマ氏が撮影に訪れたのはメキシコのユカタン半島。肉食コウモリの研究者で、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーでもあるロドリゴ・メデジン氏が、ここで肉食コウモリ2種を研究している。

 バルマ氏は、カラクムル生物圏保護区の中にある古代マヤ寺院に、ウーリーヘラコウモリの巣を見つけた。さらに、チスイコウモリモドキの群れを追跡し、彼らの巣となっている2本の木も特定した。

暗闇での撮影チャンスはわずか

 撮影準備で、最初にバルマ氏がしたことは、コウモリの習性を調べることだった。何日も泊まり込みで、巣がある寺院にとどまり、コウモリはいつ巣から外に出るのか、どの経路を飛ぶのかを調べ上げた。「フラッシュをたくタイミングも、ミリ秒単位で考えねばなりませんでした」とバルマ氏は言う。

 コウモリは敏感だ。あまり近づきすぎると、飛ぶ経路を変えてしまう。また、巣から出るタイミングは一晩に一度。巣に戻るタイミングはまちまちなので、撮影チャンスは巣から出るタイミングだけ。つまり、一匹につき一回しかない。

2018年7月号「肉食コウモリ」写真5点(画像クリックでギャラリーへ)
月夜に羽ばたくウーリーヘラコウモリ。目的は今夜の獲物だ。メキシコのユカタン半島にすむネズミなどの小動物にとって、夜間は肉食のコウモリに襲われる危険が高い時間帯だ。PHOTOGRAPH BY ANAND VARMA

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