【動画】ヒヨケムシ VS ヤスデの死闘、貴重な映像

まるで早送りのような映像、驚異的なスピードでヤスデに襲いかかるヒヨケムシ

2018.07.05
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 頂点捕食者に数えられるヒヨケムシは、サソリや大型のムカデ、砂漠ではコモリグモ、湿度の高い森ではタランチュラと競合しなければならない。ボルヘス氏はEメールでこう述べている。「したがってヒヨケムシは、獲物を競争相手に奪われないよう、すぐに平らげてしまう必要があるのです」。

 科学者たちは、これまでに1000種以上のヒヨケムシを確認してきた。そのうち最大の種は、体長15センチ強にもなる。不気味に地をはう彼らは、アフリカ、中東、中央アジア、米国南西部、メキシコ、南米の砂漠、草原地帯、サバンナに生息している。(2004年には、イラクにいるヒヨケムシの写真がインターネットで大きな話題を呼んだ。)(参考記事:「砂漠の強者ヒヨケムシ」

 この生き物に関して、科学者がまだ知らないことはたくさんある。ヒヨケムシは普通の生物が生存しにくい土地にすみ、一生の大部分を地下で過ごすため、研究が難しいのだ。

必死の防御

 ヒヨケムシに比べ、動画のヤスデは明らかに不利だ。捕食者から身を守る手段は、厚い外骨格と、悪臭のする液体の分泌しかない。映像にあるように、防御のためにまずボールのように体を丸める。

「命を守るため、ヤスデは体を丸める行動を身につけてきました。こうすれば捕食者の顎から頭を遠ざけることができます」と、ボルヘス氏は説明する。

 だが、この方法はヒヨケムシを止めるには十分ではない。ヤスデが体を丸め始めたときには、もうヒヨケムシの顎はヤスデを捕らえている、とボルヘス氏。

 獲物を殺してから食べたがるという点で、ヒヨケムシはライオンに似ている。だから、ヒヨケムシはしばしば獲物の頭部を切り落とす。相手を殺すと、死骸の体腔を消化液で満たす。これによって死骸の内部はスープのようなどろどろした状態になり、ヒヨケムシはそれをすする。

 気持ち悪いと感じる人もいるかもしれないが、このような映像は科学にとって重要な役割を果たす。ヒヨケムシをありのまま撮った映像があれば、あまり目にすることのないこの生物の行動に関して、科学者たちが自らの仮説を検証する助けになる。

 ブランスキルさんは、今回の経験について「目を見開いてさえいれば、見るべきものも、夢中にさせてくれるものもたくさんあるのだということを証明しています」と語っている。

ギャラリー:地球の奇跡!目を疑うほど色彩豊かな動物たち 写真42点(画像クリックでギャラリーページへ)
キンケイ(Photograph by Cai Luning, National Geographic Your Shot)

文=ANNIE ROTH/訳=高野夏美

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