ヒット曲はますますヒット、鳥で判明、最新研究

500年以上同じ歌を伝承するヌマウタスズメ、動物にも「伝統文化」

2018.06.25
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 ラクラン氏は、鳥たちの「同調バイアス」と、成鳥の歌を厳密に真似る能力が相まって、何世紀も変わらない伝統の歌が受け継がれたと言う。(参考記事:「【動画】リカオンがくしゃみで投票、合意形成か」

「この2つの要素が一緒になるおかげで、非常に安定した伝統が生まれます。今日、北米の湿地で響いている歌は、おそらく1000年前にも響いていたでしょう」とラクラン氏。

 この研究は、ある鳥における伝統的な歌の寿命を評価する初の試みであり、その知見は、生息地の消滅が鳴き鳥の文化に及ぼす影響を評価する基準となる。

「じつに面白い研究です」と、米コーネル大学の鳥類学者アンドリュー・ファーンズワース氏は評価する。「今回の手法と知見を基準として、生息地が断片化したり、なくなったりしている現実を比較することは、非常に重要です」

 動物の生息地に都市、道路、プランテーションなどの障壁を人間がつくると、1つにまとまっていた集団が、相互の交流がほとんどない小集団に分断されてしまうことがある。研究により、鳴き鳥の集団でこうした断片化が起こると、集団間で文化が伝達されにくくなることが示されている。

 ファーンズワース氏は、今後、この研究がさらに発展することを期待している。

「私たち人間は伝統文化の継承という観念を大切にしていますが、ほかの動物にも同じことが言えたら非常に面白いと思います」(参考記事:「ザトウクジラの狩りは“文化”か?」

文=Annie Roth/訳=三枝小夜子

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