【動画】涙の再会、ナマケモノの赤ちゃんと母親

拡声器から流れる赤ちゃんの声に母親が気がついた! コスタリカ

2018.05.30
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コスタリカの浜辺でノドチャミユビナマケモノの赤ちゃんの鳴き声を録音したものを拡声器で流して、「ジャガー・レスキュー・センター」のボランティアが母親を探し当てた。(字幕は英語です)

 コスタリカのジャングルを抜けると、目の前に海が広がっていた。その砂浜に、迷子になったナマケモノの赤ちゃんの鳴き声がポータブル拡声器から流れてきた。

 非営利団体「ジャガー・レスキュー・センター」のボランティアたちは、拡声器を手にしながら、何時間も浜辺を歩き回っていた。鳴き声を聞いたナマケモノの母親が、わが子を探しに現れるのではないかと期待していたのだ。

 赤ちゃんはその前日、砂にまみれ、アリにたかられて浜辺に横たわっていたところを観光客に発見され、センターに持ち込まれた。獣医が診察すると、ノドチャミユビナマケモノであることがわかった。体重は300グラムほどしかなく、生後数週間で、健康状態は良かったが、あのまま浜に放置されていたら一晩と持たなかっただろう。

 ボランティアが見回って母親を探したが、成果はなかった。センターの創立者で専属の生物学者であるエンカル・ガルシア氏は、ナマケモノの母親は自分の子の鳴き声を判別できることを知っていたので、赤ちゃんの鳴き声を携帯電話で録音し、そのデータをポータブル拡声器に移した。翌日、ボランティアがそれを持って浜へやってきた。(参考記事:「ナマケモノ、実は賢い? 「生存に完璧に適応」」

 午後5時ごろになって、鳴き声に反応してか、おとなのナマケモノが木を降りてきた。

「興奮したボランティアから、『木から降りてくるのがいます。必死になって辺りを見回しています』と連絡が入りました」。ガルシア氏は、赤ちゃんをタオルで包み、獣医のフェルナンド・アレグレ氏とともに現場へ急いだ。

 木の上にいたナマケモノに赤ちゃんを近づけると、母親はすぐにそれを受け入れた。そして、2匹は鼻をこすりつけて抱き合った。ボランティアの目には涙が浮かんでいた。

ギャラリー:癒やされます、ゆっくりな生きものたち 写真30点
ナマケモノ(Photograph by B. Mazur, National Geographic Your Shot)

ナマケモノの赤ちゃんには危険がいっぱい

 ノドチャミユビナマケモノの出産は、通常1匹ずつだ。母親は、生後6カ月まで育児をする。(参考記事:「ナマケモノは交尾もゆっくり?」

 スリナム共和国にある環境保護団体「グリーン・ヘリテージ・ファンド・スリナム」の会長でナマケモノの専門家であるモニーク・プール氏によると、ミユビナマケモノは地上に降りることを好まないため、この母親が子どもを受け取った際も、人間との接触をできるだけ避けたくて顔を隠しながら、強い嗅覚で自分の子であることを確認したのだろうと話す。(参考記事:「動物大図鑑:ミユビナマケモノ」

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