【動画】道路から青い炎、キラウエア火山の噴火

道路の裂け目から不気味な青い炎、その原因は?

2018.05.28
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Footage: U.S. Geological Survey

 5月初めに始まったキラウエア火山の噴火。溶岩はハワイ島の斜面をゆっくり横切り、その危うさと美しさを見せつけている。(参考記事:「活動続くキラウエア火山、巨大津波の心配は?」

 そんななか、このほど新たな現象が見つかった。青い炎だ。

 米国地質調査所(USGS)が23日に公表した映像には、道路の裂け目から幾筋もの不気味な青い炎が上がる様子が映っている。この世のものと思えない光景の原因は、メタンだ。枯れた草木が分解するときに出るメタンが、地中にたまっている。それが漏れ出て発火すると、こうした不思議な光景が生まれる。

 青い炎は夜にしか見えないため、どのくらいの範囲で発生しているのか、いつから燃えているのかははっきりしない。

「ありふれた現象ではありません」と、火山学者のジャニーン・クリップナー氏は話す。「私が知る中で、ほかにこうした現象が見られる場所はインドネシアだけです」(参考記事:「イジェン山の青い炎も この世の果て? 地獄のような絶景10選」

 インドネシアのイジェン山では、青い炎が比較的よく見られるが、こちらの現象を引き起こしているのは硫黄ガスだ。エチオピアのダロル火山でも青い炎が記録されており、一帯の土壌に含まれる硫黄の粉末が原因と考えられている。(参考記事:「イジェン山 活火山の火口で「悪魔の金」を掘る男たち 写真20点」

 キラウエア火山の噴火で青い炎が見られる理由は、植生の上に舗装された地域に溶岩が入ってきたためかもしれない。普通の地面なら、メタンはゆっくり少しずつ空気中に放出される。今回の場合は舗装道路が「ふた」として機能し、メタンを高濃度まで蓄積させたのかもしれないとクリップナー氏は考えている。それが道路の割れ目から漏れ出し、熱と酸素を得て燃え始めたのだ。

「背景は劇的ですが、こうした炎はとても見覚えのあるものです。キャンプファイヤーの火に青色が明滅するのによく似ていますから」と話すのは、地質学者のミカ・マッキノン氏だ。(参考記事:「溶岩にのみ込まれたカメラ、撮影を続けていた」

ギャラリー:大迫力、空から至近距離で撮ったハワイの溶岩 10点(画像クリックでギャラリーページへ)
米国ハワイ島、キラウエア火山から流れる溶岩流。ドローンを使って撮影した。(PHOTOGRAPH BY EREZ MAROM)

 森林地帯で植生を閉じ込めている溶岩は、メタン爆発を引き起こす恐れがある。USGSはフェイスブックの投稿で、「大きな岩や破片が空中に噴出する可能性がある」と記している。「こうした爆発は予測できないため、回避する唯一の方法は溶岩流に近づかないこと」だという。

「このようなメタン爆発は短時間の局地的なもので、噴火が活発な地点に近づきすぎなければ、大きな危険はありません」と、マッキノン氏は付け加える。

 火山がもたらす危険として最も大きいのが、押し寄せる溶岩と、火山灰の噴煙が運ぶ有毒ガスであり、ハワイ島の住民もこれらに直面している。ハワイ当局は、キラウエア山頂の噴火口からのさらなる爆発的噴火も監視している。水蒸気が蓄積し、大きな岩石が高速で噴き出す恐れもある。(参考記事:「【動画】ハワイで「溶岩の滝」が海へ、圧巻の光景」

文=Sarah Gibbens/訳=高野夏美

  • このエントリーをはてなブックマークに追加