【解説】木星の衛星エウロパに間欠泉、ほぼ確実

ガリレオ探査機が間欠泉の中を通過した強力な証拠を発見

2018.05.16
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 しかし2016年と2017年には、間欠泉の存在を示すハッブルの画像がさらに数多く公開された。エウロパの間欠泉は、エンケラドスほどの勢いはないものの、密度は同程度に濃く、容易に視認できた。(参考記事:「木星の衛星エウロパ、水噴出の可能性高まる」

 2017年5月、SETI協会のメリッサ・マクグラス氏が、エウロパ・クリッパーの科学者チーム会議において発表を行い、20年ほど前にガリレオ探査機がとらえた興味深いデータを含め、エウロパから噴き出す間欠泉の存在を示唆する証拠すべてについておさらいした。

 米ミシガン大学のシャンジェ・ジャ氏のチームが保存されている過去のデータを見直すことに決めたのは、このときだった。

「わたしは、なぜもっと早くやらなかったのだろうと自問していました。データは20年近く前から、誰でも入手できたのですから」とジャ氏は言う。(参考記事:「【解説】NASAの新衛星TESS、宇宙で何を?」

土星の衛星エンケラドスから噴き出す氷の間欠泉。NASAの土星探査機カッシーニが撮影。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL/SPACE SCIENCE INSTITUTE)
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変則的な数値の急変が3分間

 エウロパの重力は、噴き上げられた水蒸気を惑星のすぐ近くに留めておくぐらいには強い。ガリレオがそうした噴出物を捉えられるほど低空を飛んだのは、わずか2回だけだった。そのうちの1回が1997年12月の飛行であり、このときガリレオは5分間かけてエウロパの表面を横切った。

 ジャ氏らが精査したのは、ガリレオの磁力計と荷電粒子の密度を測る装置のデータだ。その数値を調べると、すぐに奇妙なものが見つかった。ガリレオのエウロパへの最接近前後で、変則的な数値の急変が3分間ほど続いていたのだ。

 もしこのとき間欠泉が噴き上がっていたなら、水蒸気と塵の粒子がエウロパの磁場の影響を受けたはずで、ガリレオはそれを探知したのだろうとジャ氏は言う。またガリレオが間欠泉に突入し、中を通り抜けて外に出る際には、探査機周辺の荷電粒子密度が変化する。

次ページ:間欠泉はたくさんある?

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