【動画】ドローンが見たロボット騎手ラクダレース 

古くから続く中東の「ラクダレース」、子供が騎手だったことも

2018.05.16
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【動画】伝統的スポーツ、ラクダレースの様子。オマーン、南バーティナ行政区の走路上空からドローンで撮影。(解説は英語です)

 砂漠での生活で、昔から重要な役割を担ってきたのがラクダだ。交通手段、食物、祭事だけではない。ときには娯楽の対象にもなる。その象徴がラクダレースだろう。ラクダレースは古くから続くアラブの伝統的な競技だ。

 レースコースを疾走するのはヒトコブラクダで、最高時速はおよそ60キロ。レースはテレビ中継されるが、賭けは禁止されている。ラクダを所有するには費用がかかることから、レースの現場に参加できるのは、族長や調教師、ラクダのオーナーなどに限られている。騎手は人間だけでなく、ロボットも認められている。映像からわかるように、車に乗ってラクダに並走しているのは、リモコンで騎手ロボットを操作してラクダを追いたてるためだ。

 ロボット騎手が普及したのは最近のことだ。それまでは、体重が軽くレースに有利な子供を騎手にすることも珍しくなかった。しかし、こうした事実が明らかになり、騎手の年齢制限に法的に制定された。これがロボット騎手が増えるきっかけにもなった。

 過去には、数万人もの子供が奴隷的かつ強制的に、この危険なスポーツの騎手にさせられたとみられている。パキスタンやバングラデシュ、スーダンから中東へと連れてこられてきた子供もいた。(参考記事:「児童売買の実情、女子生徒拉致で関心」

 21世紀に入ると、アラブ首長国連邦(UAE)が国際社会からの圧力を受けて、子供騎手の禁止へ動く。映像のレースが開催されたオマーンでも2005年、騎手に子供を起用することが禁止された。それでも2010年には、子供の騎手がまだいることが明るみに出て問題になった。(参考記事:「オマーン、誰も知らないクライミングの楽園へ」

 今日では、ラクダのオーナーのほとんどは、軽量なロボット騎手をレースで使う。絹でロボットを覆って人に似せるオーナーもいる。

文=HEATHER BRADY/訳=潮裕子

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