若いホホジロザメの主な死因は漁網、研究成果

漁業による混獲が、若いサメの命を奪う

2018.05.14
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混獲と個体数との関係は不明

 若いサメの混獲が実地で調査されたわけだが、それだけで混獲がホホジロザメ全体の個体数を脅かす最大の要因と結論付けるのは早計だと、ベンソン氏は言う。 というのも、サメの実態を研究するのは難しく、個体数の動態もよくわかっていない。今回の調査だけで、この地域で漁業がホホジロザメ全体に与える影響のすべてを調べ上げたとまでは言えないのが実状だ。

「それでも、魚の数が減っている最大の原因は漁業であることは明らかです」とベンソン氏は話す。(参考記事:「10年で世界の魚の数を回復できる、研究報告」

 近年、南カリフォルニア沖ではホホジロザメの目撃回数が増えている。厳しい保護政策がとられるようになった結果、少しずつだが個体数が回復している。

参考記事:2016年7月号「海のハンター ホホジロザメ」

 ただ、個体数の増加にともなって混獲が増えているかどうかは不明だとベンソン氏は述べる。太平洋におけるホホジロザメの個体数の増減傾向を把握するのに、今回の研究が重要な役割を果たすだろうと、同氏は付け加えた。「謎の解明に向けた第一歩になればと願っています」

サメの混獲をなくす3つの策

 「ホホジロザメの混獲対策としては、沿岸付近に網を設置させず、また実際に網が仕掛けられていないかを頻繁にチェックすることが効果的です」と、論文の共著者クリス・ロウ氏はメール取材で述べた。(参考記事:「襲撃するサメ集団、産卵するハタ、驚異の光景に密着3000時間」

 海洋保護団体オセアナの海洋学者マライア・フレイガー氏は「サメの混獲は、解決可能な問題です」と述べる。そのために、「漁ごとに、混獲したサメだけでなく生物すべての種類と数を記録すること。科学的根拠に基づいて漁獲量の上限を定めること。漁具の改良やモニタリングを強化してサメの混獲を意識的に防ぐこと」の三つの対策を提案している。

文=Sarah Gibbens/訳=桜木敬子

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