一見恐ろしそうに見えるウバザメだが、その大きな口は動物プランクトンやその他の小さな海洋生物をろ過して食べるためのものだ。(PHOTOGRAPH BY NICK CALOYIANIS, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
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 普段は単独で行動するウバザメ(Cetorhinus maximus)だが、1000匹以上の集団が米国北東部沖で確認され、専門家たちを困惑させている。

 この群れは、絶滅が危惧されているタイセイヨウセミクジラの航空調査中にたまたま写り込んだもので、過去数十年間の記録を詳しく調べるなかで発見された。この研究結果は3月7日付けの学術誌「Journal of Fish Biology」に掲載された。

 世界最大の魚類であるジンベエザメに次いで、ウバザメは2番目に大きく、体長は9メートルに達することがある。世界中に生息し、泳ぎは緩慢で、ろ過摂食でエサを取る。人間に危害を加えることはない。(参考記事:「巨大魚ウバザメが網に、まるで古代生物」

 体は大きいが、主に深海にすんでいるためウバザメの追跡は難しい。今回のようなついでの発見でもない限り姿を見せないので、データがなかなか集まらないと、米海洋大気局(NOAA)北東漁業科学センターのフィールド生物学者で、今回の調査を率いたリア・クロウ氏は語る。「私たちの研究の目的は、偶然に頼らずにデータを集められるようになることです」(参考記事:「ウバザメの意外な避寒地を発見」

 クロウ氏らのチームは、1980年から2013年の間に、カナダのノバスコシア州から米ロングアイランド島までの沿岸沿いで報告されたウバザメの大集団の記録10件を精査した。すると、2013年11月5日に米ニューイングランド南部の沖で撮影された写真から、少なくとも1398匹が一堂に会していたことが明らかになった。記録破りの匹数だ。

 データベースにあるおよそ1万件のウバザメ目撃記録を氏らが調べたところ、その99%は7体以下の群れだったという。

群れには子どもも

 サメの専門家は、ウバザメが群れを作る理由についていくつかの仮説を立てている。他の種のサメは、エサを取ったり交尾したり、敵から身を守るために群れをなす。

 2013年に目撃された群れには子どもも何頭か混ざっていたので、交尾のためではなく動物プランクトンを食べるために集まっていたのだろうと、クロウ氏は考えている。

 また、ウバザメはエサを食べるときに口を大きく開け、泳ぐスピードが落ちるので、お互い列をなして水の抵抗を抑え、体力を消耗しないようにしているのではないかと、論文では推論している。

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