謎の地上絵50点以上発見、ナスカの隣接地域

ナスカ文明より古い時代「ほとんどが戦士の絵」、南米ペルー

2018.04.09
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ドローンを使って新たに発見されたナスカの地上絵は、数本の直線からなり、パターンを識別することはできない。これらは別々の時期に、別々の目的のために描かれた可能性がある。ナスカ文化より古いパラカス文化の地上絵は、人間や動物を描いたものが多い。(PHOTOGRAPH COURTESY LUIS JAIME CASTILLO, PALPA NASCA PROJECT)
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 2014年12月、環境保護団体グリーンピースの活動家がナスカの有名なハチドリの地上絵のすぐ近くで抗議行動をした際に周囲の地面を損傷し、世界中から非難されるという事件が起きた。これがきっかけとなってペルーは米国からの助成金を得て、イスラ氏らの調査チームを雇い入れたのだ。

 イスラ氏が請け負った仕事はただでさえ難しいが、不完全な地図のせいで、さらに難しくなっていた。ペルーには10万におよぶ遺跡があるとされるが、そのうち航空測量に基づいて位置が特定されているものはわずかしかないのだ。そこでイスラ氏の同僚のカスティリョ氏は、ナショナル ジオグラフィック協会のエクスプローラーで「宇宙考古学者」として知られるサラ・パーカック氏の協力を得た。(参考記事:「古代都市ペトラの遺跡、衛星画像とドローンで発見」

 パーカック氏は、衛星画像を使って考古学遺跡やその略奪の兆候を発見する「グローバルエクスプローラー(GlobalXplorer)イニシアチブ」を設立している。市民科学者に衛星画像を提供し、発見に協力してもらうのだ。その最初のプロジェクトとなったのが、今回のペルーの衛星写真の分析だった。(参考記事:「宇宙考古学で遺跡保護を、TED受賞者が呼びかけ」

「どの国から調査を始めるか。検討に当たって重視したのは、世界的に重要な遺跡であること、文化省が新しい技術に理解があること、そして遺跡のほとんどが開けた場所にあって見つけやすいことでした」とパーカック氏は言う。「ペルーはぴったりだったのです」

ドローン画像で浮かび上がってきた

 グローバルエクスプローラーのボランティアが衛星画像を分析し、考古学遺跡や遺跡の略奪の兆候らしきものを発見すると、その位置情報をパーカック氏がペルーの考古学者たちに提供。カスティリョ氏と3人の学生は、情報をもとに地上調査に乗り出した。(参考記事:「略奪される歴史 文化財の闇取引を追う」

 2017年12月、カスティリョ氏のチームがナスカとパルパに赴き、グローバルエクスプローラーが指摘した地点を訪れた。当初見つかったのは、数十年前の略奪の痕跡や近年この地域で横行している金の違法採掘の痕跡ばかりで、最近の遺跡略奪行為の兆候は見つからなかった。

 ところが、ドローンを飛ばして上空から撮影すると、予想外の発見があった。高解像度画像の中に、古代の地上絵らしきものが数十点も描かれているのが見えたのだ。

 こんなに多くの地上絵が目に見えるところにあったのに、なぜこれまで誰も気づかなかったのだろうか? 実は、地面に刻まれた線や図形は、長い年月の間に浅いくぼみになっていて、ドローンを使った3Dスキャンでしか確認できなくなっていたのだ。

次ページ:略奪よりも脅威となるのは

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