クジラやトドらの大型化、理由を解明、定説覆す

単純に浮力のおかげではなかった、カギは「体温」と「エサ」

2018.03.29
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【動画】好奇心旺盛なザトウクジラの赤ちゃん、ダイバーと「ダンス」(解説は英語です)

実は陸上より制約はきつかった

 この5年ほどの間に、哺乳類の仲間にはそもそも大きな体を持つように進化する傾向があることを示す証拠が発見されてきた。体が大きい動物は、交尾や食物、その他の資源をめぐる争いでライバルに勝つ可能性が高く、多様な食物を入手できる。(参考記事:「「バイオロギング」で迫る海洋動物の素顔」

 しかしながら、陸生哺乳類には重力という縛りがある。彼らは大きな骨と血管で巨体を支えつつ、同時にしっかりと動けなければならない。ゾウのように体重数トンという動物に進化するのはごく稀なケースだ。(参考記事:「クジラにも利き手が? 海面近くでは、ほぼ左回り」

 この研究に着手した当初、海洋生物の体が大きいのは、単に陸上で制約として働く重力が、海では関係ないことが確認できるだけだろうとギアティ氏は考えていた。

 こうした予想に反し、データが示していたのは、水生哺乳類の最小サイズは、最小の陸上生物よりも1000倍大きく、一方で最大サイズの方はわずか25倍という結果だった。体の大きさは、陸上の動物よりも狭い範囲に収まっていた。つまり、陸上よりも海のほうが制約がきつかったのだ。これは、海洋哺乳類の体がこの大きさに収まる何らかの要因があることを示していた。

 ベンディティ氏は言う。何が動物の体の大きさを決定するのか、その謎がまだ完全に解明されたわけではない。それでも生物たちはいまも、あらゆる形、あらゆる大きさへと進化し続けている。

ギャラリー:巨大な哺乳類、クジラの世界 写真14点(写真クリックでギャラリーページへ)
シロイルカとも呼ばれるベルーガは北極海に生息する。(PHOTOGRAPH BY BRIAN SKERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

文=CARRIE ARNOLD/訳=北村京子

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