【動画】超希少クジラをドローン空撮、初の鮮明映像

生きた姿の目撃例は世界で10回未満! ヒガシアメリカオウギハクジラ

2018.03.14
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どんなクジラか?

 ダイクストラ氏が希少なクジラを撮影したのは、今回が初めてではない。2017年10月にも、地球最大の動物である希少なシロナガスクジラを映像に収めている。しかもその映像は、彼らが将来の伴侶を求め、「ヒートラン」と思われる行動をとっている光景を見せてくれた。「ヒートラン」とは、複数のオスが1頭のメスを勝ち取るために高速で泳いで決着をつける行動だ。(参考記事:「【動画】メスがオスを誘惑?巨大クジラの貴重映像」

【動画】シロナガスクジラの「ヒートラン」。(解説は英語です)

 しかしながら、ヒガシアメリカオウギハクジラの撮影はこれ以上に困難なものだ。今回の映像は、ナショナル ジオグラフィックが独占で配信している。

 ヒガシアメリカオウギハクジラを、アカボウクジラと混同してはいけない。同じアカボウクジラ科に属するが、ヒガシアメリカオウギハクジラは大西洋中央部と北部の暖かい海の深くに生息することが多い。(参考記事:「哺乳類最強の潜水能力?アカボウクジラ」

 ヒガシアメリカオウギハクジラに関する情報は、もっぱら浜辺に打ち上げられた死骸と海における数少ない目撃例に頼るしかなかった。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいても「情報不足(data deficient)」とされている。ヒガシアメリカオウギハクジラに関する初めての記録は、1840年にイギリス海峡で漂っていた1頭の死骸について。動画としては、携帯電話で撮影された揺れが激しい映像があるだけだった。今回のダイクストラ氏による映像は、おそらく初めての本格的なものになる。(参考記事:「アラスカに漂着した謎のクジラ、新種と判明」

「ヒガシアメリカオウギハクジラを空中から撮影したした人は、私の知る限りいません」と、米メリーランドに拠点を持つ海産哺乳動物委員会調査計画官ディ・アレン氏はいう。「発見が困難なだけに、やりがいのある動物です」

 アカボウクジラ科に属する他の21種から、ヒガシアメリカオウギハクジラを見分けるのは、遠目では難しい。ヒガシアメリカオウギハクジラの前頭部は、やや出っ張っており、口先は顕著に細くなっている。体色は濃い灰色、もしくは青みがかった黒で、腹側は薄い灰色に白い斑点が散っている。体重は約1200キロ、体長は4~5メートルあまりになる。寿命は27歳だが、48歳まで生きた可能性があるとする調査結果も出ている。

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