恐竜時代のひな鳥の化石、通説上回る多様性が判明

1億2700万年前のほぼ完全な骨格を発見、鳥の進化解明の手がかりにも

2018.03.13
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 カナダのロイヤル・サスカチュワン博物館の無脊椎動物古生物学部門のキュレーターであるライアン・マッケラー氏は、「この鳥の飛行能力に関するヒントになる発見です」と言う。「飛べたとしても、あまり得意ではなかったでしょう」。なお、マッケラー氏は今回の研究には関与していない。

 しかし、飛ぶのが苦手だったとしても、ひなが親に完全に依存していたとは限らない。今日の鳥でも、セキセイインコのように、目もあかず、羽毛もない状態で孵化して、親に大きく依存する鳥もいれば、ニワトリのように、孵化したときから羽毛が生え揃い、すぐに動き、エサを食べられる鳥もいる。(参考記事:「【動画】金魚にエサをやる鳥、理由は?」

「私たちの目標は、古代の鳥の進化史を理解し、一部の鳥たちがいつ頃から現生の鳥たちと同じタイプの戦略やシステムを備えるようになったのかを解明することです」とキアッペ氏は言う。(参考記事:「特集:羽はどうやってできたのか?」

保存状態が良好な化石の相次ぐ発見

 鳥類は、卵が大きく、入手しやすいため、骨の発達を調べるのに最適な生物だ。鳥類はまた、飛行のストレスに耐えるように、骨を融合させて骨格を強化している点でも興味深い。

【動画】アヒル似の恐竜の奇妙な化石(解説は英語です)

 ひなの化石が見つかったのはこれが初めてではないが、今回の化石が最小のものの1つであることは確かだ。これまでに、樹液中で保存された化石標本も発見されている。昨年は、ミャンマーの琥珀の中から同じエナンティオルニス類の9900万年前のひなの化石が発見された。その他の鳥類の化石も、マダニ、クモ、恐竜の羽毛などと一緒に見つかっている。(参考記事:「恐竜時代のひな鳥を発見、驚異の保存状態、琥珀中」

 再結晶化により化石の構造が損われる場合もあるが、今回のひなは幸い保存状態がよい。マッケラー氏は、今回の化石は、ミャンマーの琥珀の中で保存された場合と同じくらい良好な状態で保存されていると言う。

「多くの場所からすばらしい化石が見つかっています」とキアッペ氏は言う。「そういう意味では、私たちは非常に幸運な時代に生きています」

【関連ギャラリー】思わずゾクゾクする考古学フォト13点(画像クリックでギャラリーページへ)
考古学の発掘で見つかった遺物が物語る文明の面影を、ナショナルジオ グラフィックのアーカイブから紹介する。

文=Elaina Zachos/訳=三枝小夜子

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