【動画】貴重!深海のニシオンデンザメ142匹を撮影

泳ぎが遅くて非常に長生きのサメ、カナダ北極圏で撮影に成功

2018.03.07
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【動画】ロシアのフランツ・ヨシフ諸島で、そのあたりでは見つかったことのないニシオンデンザメを発見して大騒ぎするナショナル ジオグラフィックのメカニカルエンジニア、アラン・トゥルチク氏(解説は英語です)

「私がニシオンデンザメを見たのは、あれが最初で最後です」とトゥルチク氏は振り返る。「あの時はあんなに下品な言葉をまくし立ててしまい恥ずかしい」

 トゥルチク氏が仕事で出会ったのは、ニシオンデンザメだけではない。2015年1月に遠征したインド洋中央部のチャゴス諸島では、チームと共にウロコアイザメを撮影した。この区域ではそれまで見つかったことのないサメだ。別の遠征では、南太平洋のピトケアン諸島から60キロ以上離れたサンゴ礁の周りを泳ぐピトケアンエンゼルフィッシュの撮影を手伝った。

「実際、興味深い生物を見かける機会は多いです。以前なら期待しなかった場所で発見することも度々あります」(参考記事:「息をのむような美しさ! 海洋保全を熱く訴える、水中写真15点」

オンデンザメの調査状況

 今回の映像を撮影したディバイン氏は、ニシオンデンザメを見ても驚かなかったと話す。ニシオンデンザメが北極海や北大西洋の暗く冷たい海によくいることは知られていたからである。しかし、深海にすんでいて容易に近づけず、なかなか人目に触れることのないニシオンデンザメを研究することは容易ではない。(参考記事:「【動画】幽霊のような深海魚を発見、おそらく新種」

 ニシオンデンザメについて現在知られている情報の多くは、過去の商業漁業の記録から得られたものである。記録は少ないものの、どうやらこのサメの油分の多い肝臓が目当てで、1960年まで漁が行われていたようだ。ニシオンデンザメの大きさはホホジロザメと同じくらいである。体長6メートルを超えることもあるが、悪名高いホホジロザメと違い、ニシオンデンザメの泳ぎは遅い。これが「オンデンザメ科」に分類される理由になった特徴の一つである。

 過去の研究から、ニシオンデンザメの成長は遅く、1年に1センチほどしか大きくならないことがわかっている。成熟するのは、メスでは体長約4.5メートル、オスでは3メートル弱に達してからとみられる。平均寿命は少なくとも272歳とする記録もあり、もしそうなら、地球上で最も長寿の脊椎動物ということになる。(参考記事:「約400歳のサメが見つかる、脊椎動物で最も長寿」

【参考ギャラリー】恐ろしくも美しきサメ、10選

 情報が乏しいためはっきりとはわからないが、ニシオンデンザメは乱獲や生息地の消失によって生息数が減っている可能性もある。餌でおびき寄せて撮影する方法は、過去に行われていた延縄(はえなわ)で釣る調査方法に比べてダメージが少ない。釣り上げられたサメはストレスを受け、長く生きられない可能性があるからだ。ニシオンデンザメが生息する地理的範囲は正確にはわかっておらず、今も調査が続けられている。

「今回の論文はほんの第一歩に過ぎません」とディバイン氏は語る。「まだ踏査されていない未知の海域がたくさんあるのです」

文=Elaina Zachos/訳=山内百合子

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