5千年前のエジプトミイラに謎の「S字」タトゥー

女性には謎の文様、男性には雄牛と羊、専門家の見解は

2018.03.05
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【写真6点】5千年前のミイラに残されたタトゥー、男性ミイラには雄牛や羊も(画像クリックでギャラリーページへ)
女性ミイラの肩の骨にはS字の線が4つ描かれていた。(PHOTOGRAPH COURTESY THE TRUSTEES OF THE BRITISH MUSEUM)

 5000年前の古代エジプトの2体のミイラにタトゥーが見つかり、学術誌「Journal of Archaeological Science」に発表された。(参考記事:「5千年前の高貴な少女の化粧品が出土、パレスチナ」

 ミイラは1900年に発見された6体のコレクションの一部で、発見地点であるナイル川沿いの地名にちなみ、ゲベレインのミイラと呼ばれている。現在は大英博物館が所蔵しており、遺物を再精査するプロジェクトの一環で、あらためて分析が行われた。

 ミイラの年代は、2体ともに紀元前3351年から3017年の間と判定されていることから、タトゥーのある遺体としては古代エジプトで最古のものとなった。今のところ、タトゥーのある古代エジプト人の例が次に現れるのは、1000年以上後のことだ。

 また、この2体よりも古いタトゥーの証拠は、年代が紀元前3370年ごろとされる新石器時代の男性のミイラ「アイスマン」(愛称エッツィ)しかない。エッツィのタトゥーがより幾何学的なデザインなのに対し、今回見つかったエジプト人のタトゥーは具象的であり、特定の形を表している。(参考記事:「アイスマン その悲運の最期」

赤外線に浮かび上がった印

 当初、ミイラの体についているのは染みと思われていた。だが赤外線撮像で分析したところ、皮膚についた印が研究者たちの前にはっきりと現れた。男性の体からは、雄牛と、バーバリーシープ(北アフリカ産のヒツジ)と思われる絵が見つかった。

 女性の体には、肩関節の上にアルファベットの「S」のような記号が4つ並んでいるのと、「L」字型の線があることが判明した。後者について、考古学者たちは棒か木製のつえかもしれないと考えている。

 どちらのミイラも、タトゥーは表皮の下の真皮まで届いており、インクは何らかのすすから作られていた。近隣の地域から銅製の器具が出土しており、タトゥーの道具だとする説が以前から出されていた。(参考記事:「もはや芸術、ツタンカーメンの曾祖父母のミイラ」

次ページ:男らしさの象徴?「S」字の意味は?

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