冬毛の動物を絶滅させない方法、研究者が提言

雪が降らないと目立ってしまう白い毛の動物たち、どうやって守る?

2018.02.22
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【動画】冬に毛が白くなるカンジキウサギ、雪が減っても生き残れるか?(解説は英語です)

 私たちが季節によって衣替えをするように、動物にも冬に着替えるものがいる。彼らは夏に茶色い毛、冬には雪に合わせた白い毛を生やす。(参考記事:「白いコートに着替えたツンドラの動物たち」

 だが、雪が降らないのに冬用の白いコートを着ていたらどうだろう。

 地球温暖化によって雪が減ると、体が白くなった動物たちはかえって目立ってしまい、敵に狙われやすくなる。2月15日付の学術誌「Science」に掲載された論文は、そうしたぜい弱な動物たちを生き残らせるための方策を提言している。

 論文を執筆した米モンタナ大学の野生生物学者スコット・ミルズ氏らの研究チームは、白い冬毛の動物21種を対象に60カ国で調査し、同じ種でも冬に体毛が白くなる個体群と茶色いままの個体群が混在している地域を特定した(茶色と白のウサギが入り混じっている森を想像してほしい)。

カナダ、マニトバ州チャーチルの海岸を忍び足で歩くホッキョクギツネ。(PHOTOGRAPH BY MATTHIAS BREITER, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
[画像のクリックで拡大表示]

 ミルズ氏らはこの地域を「ホットスポット」と呼んでいる。これらのエリアに生息する集団を保護できれば、集団内に茶色い毛を生やす遺伝子が広がって、種として気候変動を生き抜くことができるのではないかとの考えだ。(参考記事:「【解説】温暖化で生物は?人はどうなる?最新報告」

雪が降らなくても毛の色は変わる

 季節によって体毛の色が変わる動物には、カンジキウサギホッキョクギツネ、ライチョウなどがいる。

 ミルズ氏によると、毛の色を変える能力は、気候変動を生き抜くよう長い時間をかけて進化したものだという。

次ページ:ウサギは「森のチーズバーガー」

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