1万年前の「チェダーマン」復元! 肌は黒、目は青

イギリスで発見された人骨を復元、DNAシークエンシング技術で分析

2018.02.09
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人骨のDNA配列を特定することにより、「チェダーマン」の肌の色、目の色、髪の種類を再現。(PHOTOGRAPH BY TOM BARNES, CHANNEL 4)
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「チェダーマン」と呼ばれている約1万年前の人骨がある。1903年に英国で発見されたその人骨を基に顔を再現したところ、明るい青色の目、わずかにカールした髪、そして黒い肌を持っていたことが明らかになった。(参考記事:「ストーンヘンジの10倍!英国最大の環状遺跡を発掘」

「一般の人々には驚きかもしれませんが、古代のDNAを扱う遺伝学者にはそうでもありません」と述べるのは、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の科学者マーク・トーマス氏だ。

 実は、スペイン、ハンガリー、ルクセンブルクから中石器時代の黒い肌を持つ古代人が見つかっており、そのDNA配列はすでに解明されている。今回行われた新たなDNA分析により、チェダーマンは彼らと遺伝的に近いことが証明された。また、1万1000年ほど前の最後の氷河時代の末期にヨーロッパに移住したと考えられる狩猟採集民の一団に属していたこともわかった。(参考記事:「ネアンデルタール人のゲノム解読、我々の病に影響」

 英国のチェダーといえば、チェダーチーズで有名だ。しかし、チェダーマンがそう呼ばれるのは、チェダーチーズが好物だったからではない。チェダーチーズが生まれたのは、チェダーマンより少なくとも3000年は後のこと。チェダーマンの名は、英サマセット州のチェダー渓谷で見つかったことに由来する(偶然にも、チェダーチーズ発祥の地も同じ場所だ)。

 チェダーマンの顔の復元作業は、トーマス氏を含む大規模なチームがロンドン自然史博物館の協力を得て実施した。

 修復作業の第一歩は、頭蓋骨の測定だった。「頭蓋は厚くて重く、顎は比較的薄くなっていました」とトーマス氏は話す。続いて、ゲノム配列全体の分析が行われ、チェダーマンは、遺伝子地図が作成された「最古のイギリス人」となった。その配列から、肌の色、目の色、髪の種類が明らかになった。(参考記事:「4千年前の「高貴な族長一家」、リアルに復元」

 最後に、チェダーマンに命を吹き込む作業が行われた。熟練のモデル制作者であるアドリエ・ケニス氏とアルフォンス・ケニス氏という双子のオランダ人は、3Dスキャナーと3Dプリンターを利用して、復元された骨に「肉」を追加した。(参考記事:「アイスマンの衣類に使われた動物を特定」

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