【動画】焼失した道教の本山を大規模発掘、中国

中国江西省の「大上清宮」、詳細な位置を特定

2018.01.31
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【動画】発掘された大上清宮の遺跡(解説は英語です)

 大上清宮は、500年以上にわたって道教の2大宗派の一つ、正一派の本山だった。何代もの中国皇帝がここで礼拝を行ったと伝えられている。だが、1930年に全焼した後、建物などの正確な位置がわからなくなっていた。(参考記事:「【動画】地面から火が!中国で59年続く珍光景」

 場所は中国南東部、江西省にある竜虎山の麓。今回、4年間にわたる発掘調査により、この遺跡の詳細が確認された。道教の遺跡としては、これまで行われた最大規模の発掘である。

 建物などの位置を特定するため、江西省考古研究所の考古学者らは、18万平方メートル(東京ドーム約4個分)を超す範囲を調査しなければならなかった。そしてついに、約5000平方メートルにおよぶ遺跡の発掘に成功した。(参考記事:「【動画】3000年前の太陽の祭壇、中国北西部で発掘」

 現地で撮影された動画を見れば、その広大さがわかるだろう。現在残っているのは遠い昔の礎石だけだが、考古学者らはこの遺跡を保護し、かつてそこに建っていた歴史に残る寺院について学べる展覧会を開こうとしている。(参考記事:「兵馬俑の職人、ギリシャ人芸術家が訓練か」

 大上清宮は、960年から1279年まで続いた宋の時代に建設された。この時代は儒教と仏教も盛んであった。宋朝では皇帝の支援を受けて芸術や文化も隆盛した。

 考古学者らは寺院があった場所を確認したほか、陶器や磁器、古代の装飾に用いられた彩釉タイルなどの遺物も発見した。(参考記事:「世界最古の十進法の計算表、中国で発見」

「ここで道教の僧たちが行っていた活動の基本的な特徴がはっきりとわかりました。また宋、元、明、清の時代を通じて重なっていった地層を発見し、各時代の建築様式を知ることもできました」と、江西省考古研究所の徐長青所長は中国国営放送局のインタビューで語っている。

 4年間にわたる発掘は終了したが、遺跡の研究はこれからだ。考古学者らは、大上清宮が建てられた正確な時期と当時の文化的風潮の全容を明らかにしたいと考えている。(参考記事:「チベット文化圏、大地に息づく「祈り」7点」

文=Sarah Gibbens/訳=山内百合子

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