【動画】特製のランニングマシーンと水着を作って、研究者が赤ちゃんウミガメの持久力を測定した。(字幕は英語です)

 ウミガメの赤ちゃんはどれくらいたくましいのだろうか? ウミガメの保護を目的として、孵化したばかりのウミガメの持久力を試す研究が行われ、学術誌「Journal of Experimental Biology」に発表された。

 野生の状態では、生まれたばかりのウミガメは、夜間、陸側より明るい海の水平線を頼りにして、孵化してからほぼ24時間のうちに浜から外洋に向かって泳ぎ出す。

 しかし、光害のために子ガメが方向を見失い、陸で長時間過ごすことになり、結果として危険にさらされやすくなっているようだ。生まれて数分で海に向かって駆け出すはずが、方向を見失って何時間も陸を歩き回ることもある。(参考記事:「【動画】鼻にストローが刺さったウミガメを救助」

 そこで、米フロリダ、アトランティック大学の研究者2人が、このように混乱した子ガメが陸を這い回ることで疲れ果て、泳ぐことが難しくなるどうかを調査することにした。

 ミニサイズのランニングマシーンと特製の水着を使った、あまり例のない研究を行ったのは、生物学者のカレン・パンカエウ氏とサラ・ミルトン氏。結果的に彼らは、ウミガメが非常にたくましい生き物であることを思い知らされる。

 とはいえ、ウミガメが危機に直面していることに変わりはない。世界の海に分布する7種のすべてが潜在的な脅威にさらされており、国際自然保護連合(IUCN)は3種を「近絶滅種(critically endangered)」としている。(参考記事:「ウミガメが生まれ故郷に戻れる理由」

ハードな運動メニュー

 研究チームはまず、米国フロリダ州パームビーチ郡で、野生のアカウミガメアオウミガメの孵化したばかりの子ガメ150匹を集めた(このカメは実験後に元の生息地に戻された)。

 次に、研究室内に作った小型のランニングマシーンに1匹ずつこのカメを乗せた。マシーンの前方には人工の光源が取り付けられていて、その方向にカメを誘導する。

 子ガメは光に引き寄せられて、1つの実験では200メートル、別の実験では500メートルを、時々休憩を挟みながら、着実なペースで歩いた。この距離は、実際にウミガメが浜を歩く距離に近くなるように決められた。

 ランニングマシーンでの運動に続いて、カメは特製の水泳用ハーネスをつけられて、水の入ったタンクに下ろされた。それからさらに2時間、研究者が観察する間中、子ガメたちは水をかき続けるように求められた。

次ページ:結果は驚くべきものだった

おすすめ関連書籍

PHOTO ARK 動物の箱舟

絶滅から動物を守る撮影プロジェクト

世界の動物園・保護施設で飼育されている生物をすべて一人で撮影しようという壮大な挑戦!

定価:本体3,600円+税