イヌはネコより賢い? 科学が出した答えとは

イヌの大脳皮質にあるニューロンの数は、ネコの約2倍と判明

2017.12.06
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カメラに向かって笑いかける、秋田犬とピットブルのミックス。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
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 これまでさまざまな議論を呼んできた“ある問題”に、答えが出たのかもしれない。イヌの大脳皮質にあるニューロンの数は、ネコに比べて約2倍であることがわかったのだ。このことは、イヌがネコの2倍の知力があることを示唆している。(参考記事:「動物は何を考えているのか?」

 この発見に関する論文は、近く学術サイト「Frontiers in Neuroanatomy」に掲載される。研究には米国、ブラジル、デンマーク、南アフリカの6大学の研究者が携わっている。

 論文の執筆者の一人で、米ヴァンダービルト大学教授の神経科学者、スザーナ・エルクラーノ=アウゼル氏は、10年前から人間と動物の認知機能に関する研究を続けている。動物の知性をできる限り正確に測るために同氏が採用しているのが、ニューロンの数を調べるという手法だ。ニューロンは、脳内で情報の伝達を担う神経細胞である。(参考記事:「赤ちゃんの脳の構造はほとんど完成している」

「まずは脳を溶かしてスープ状にします」。ニューロンを数える方法について、エルクラーノ=アウゼル氏はそう説明する。脳をスープ状にしたうえで、その中に漂っているニューロン細胞の核の数を数えれば、脳内にあるニューロンの数を推定できるというわけだ。

「ニューロンは情報処理を担う基本ユニットです。この基本ユニットを脳内にたくさん持っているほど、その動物は認知能力が高いということになります」

ニューロンの数を調べる

 同氏の言う「脳のスープ」を作る際、研究チームが使用したのは、脳の外側を覆うしわだらけの層「大脳皮質」の一部だ。視覚や触覚といった外部刺激は、脳のさまざまな部位で処理されるが、大脳皮質はこれらの刺激をまとめて、意思決定や問題解決などを行う機能を担う。「大脳皮質は、脳に複雑さや柔軟性を与えています」と同氏は話す。(参考記事:「イヌやネコはなぜ死んだ飼い主を食べるのか」を参照)

 イヌとネコが一般にどれだけの数のニューロンを持っているかを調べるために、研究チームは今回、3つの脳を使用した。1つ目はネコ、2つ目はゴールデンレトリバーというイヌ、3つ目は雑種の小型犬のものだ。イヌの脳を2つ使ったのは、イヌは個体によって体のサイズが大きく異なるためだ。

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