【動画】鉄壁の守り? 赤ちゃんヤスデの集団戦法

ぎっしりと寄り集まり、互いの上を乗り越えながら一斉に前進

2017.11.30
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【動画】集団で行動するヤスデの生存戦略。(解説は英語です)

 体の柔らかい赤ん坊のヤスデ。たった1匹で歩いていたら、すぐに捕食者の餌食になってしまうだろう。しかし、大勢の兄弟姉妹に囲まれていれば、生き延びる確率はぐっと高くなる。(参考記事:「【動画】新種の光るヤスデを発見」

 ヤスデは多様な種が存在する節足動物の仲間で、世界各地に生息する。種によっては、交尾のシーズンやエサを狩るときに、集団を作るものがいる。また、捕食者から身を守るために、若いうちは寄り集まって移動する種があることも確認されている。(参考記事:「【動画】仰天!ハバチの幼虫のシンクロ護身術」

 セネガルの農民研修センターで働くノア・エルハルト氏は9月、仕事中にちょうどそうしたヤスデの集団に出合った。自然の写真を撮ることが趣味のエルハルト氏は、道端でよく見かけるこのヤスデの様子を、動画に収めることにした。

「移動しているときのヤスデの集団は、たいていは2、3匹が上下に重なり合い、上にいる個体がちょうど“動く歩道”を歩いているかのように、前へ進んでいきます」と彼は話す。(参考記事:「3億年前の大型ヤスデの化石、おそらく新種」

 20~30匹のヤスデの大集団が互いの上を乗り越えながら前進する様子は、地面の上でかなり目立っている。彼らはぎっしりと寄り集まっており、1匹のアリが近づいてきても、通り抜けられずによろよろと去っていく。(参考記事:「アリを「ゾンビ化」する寄生菌、脳の外から行動支配」

 ヤスデは、たくさんの卵から一斉に孵化し、そのまま集団で行動する。今回の動画では、若いヤスデの集団からほんの数センチ離れた場所にも、わずかに体の大きな別のヤスデの集団が映っている。

 エルハルト氏によると、ヤスデは栄養豊富な土壌で育ち、雨期に活発になる。若いヤスデは1匹で歩き回るようなことはせず、有機物に覆われた土を求めて集団で移動する。というのも、この有機物は通常、日の当たる場所に多いため、そうした場所では敵に見つかりやすいからだ。(参考記事:「【動画】人の声で触角を伸ばすイモムシが見つかる」

 たとえば、相手がアリの集団であれば、寄り集まったヤスデの壁に阻まれて去っていく。一方、もっと大きな捕食者が現れた場合、若いヤスデたちは別の作戦に出る。

 エルハルト氏がヤスデの集団に息を吹きかけると、驚いた彼らはあっという間に散り散りになって逃げ去る。そして、またすぐに集団を作り直すのであった。(参考記事:「群れが生み出す知能「群知能」」

文=Sarah Gibbens/訳=北村京子

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