絶滅寸前から復活、3500年続く古代犬種“ショロ”

原種に近く、アステカでは神の使いだったショロイツクインツレの物語

2017.11.28
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ショロイツクインツレという長い名前は、アステカの言葉で雷と死の神を指す「ショロトル」と、イヌを意味する「イツクイントリ」の2語に由来する。(PHOTOGRAPH FROM AUSCAPE, UIG VIA GETTY IMAGES)
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 アステカとマヤの人々にとっても、イヌは人間の最良の友だった。そのイヌは毛がなく、醜くも愛らしくもあり、人を癒やし、時には食料にもなった。そして最も重要な役目は、人をあの世へ導くことだった。

 メキシカン・ヘアレス・ドッグと呼ばれることもあるが、犬種名はショロイツクインツレという(略称「ショロ」)。アステカの雷と死の神である「ショロトル」と、イヌを意味するアステカ語「イツクイントリ」の2語を合わせた名前だ。アステカの神話では、このイヌは生者を守り、そして、冥府の最下層であるミクトランに至る危険な旅で死者の魂を導くために、ショロトル神が創造したとされる。(参考記事:「アステカの犬だけの墓を発見、メキシコ」

 ショロイツクインツレは、南北アメリカ屈指の古い犬種だ。研究者は、このイヌの祖先はアジアからの最初の移住者と共にやってきて、少なくとも3500年前には今のような血統になったと考えている。遺伝子の変異の結果として、ショロには(頭頂と尾のわずかな束を除いて)毛と前臼歯がない。歯にはっきりした特徴があるおかげで、考古学の調査で見つかったイヌの骨がショロかどうかは比較的簡単に判別できる。(参考記事:「イヌが人懐こくなった理由は「難病遺伝子」に」

ショロイツクインツレをかたどった陶器。メキシコ西部の2000年ほど前の墓から頻繁に見つかる。(PHOTOGRAPH COURTESY METROPOLITAN MUSEUM OF ART)
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 ショロは古いメソアメリカ(中米の古代文明圏)の美術品にも見てとれる。たいていはとがった耳と、毛がないことを示すしわの寄った皮膚をもっている。小さな陶器が最も多く、今のコリマ州をはじめメキシコ西部の州でよく見つかることから、コリマ・ドッグとも呼ばれる。

 コリマ州や近隣のナヤリット州、ハリスコ州では、先古典期(紀元前300年頃~紀元300年頃)の埋葬地の75%以上にこうした陶器が納められたと考古学者たちは推定している。死者の魂があの世で旅するのを助ける先導者を象徴する役目があったのかもしれない。(参考記事:「最古の犬の絵か? 狩りやペットの歴史にも一石」

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