恐竜絶滅、小惑星の落ちた場所が悪かったせい?

小惑星の衝突で大量絶滅が起こるのは地球表面の13%、東北大ほか研究

2017.11.10
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オランダのナチュラリス生物多様性センターの見学者の前にそびえ立つティラノサウルスの骨格。(PHOTOGRAPH BY MARTIN VAN DIJL, AFP/GETTY)
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硫黄が原因である可能性も

 しかし、1つ問題がある。最近、チクシュルーブ・クレーターの掘削調査が行われたが、炭化水素はあまり見つからなかったのだ。

 チクシュルーブ・クレーターの海底部分の掘削プロジェクトに参加した米テキサス大学オースティン校の地質学者ショーン・ギューリック氏は、小惑星の衝突直後の寒冷化は、煤ではなく蒸発した硫黄が原因である可能性が高いと指摘する。(参考記事:「史上2番目の大量絶滅、原因は有毒金属とする新説」

 10月30日に『Geophysical Resesarch Letters』に論文を発表したジョアンナ・モーガン氏は、小惑星の衝突により約3250億トンの硫黄が放出されたと推測している。これは、地球を一時的に寒冷化させるのに十分な量だが、実際にはもっと多かった可能性がある。

 ギューリック氏は、チクシュルーブから650km離れたハイチで採集された煤が、森林火災によって堆積したものである可能性があり、近く発表されるチクシュルーブの掘削コアの分析結果が、この部分の議論を明確にするだろうと言う。

 そんな彼も、小惑星が衝突した場所が悪かったという点では海保氏と同じ意見だ。大きな小惑星が衝突した場所はほかにもあり、米国のチェサピーク湾やドイツのバイエルン州西部に痕跡がある。しかし、化石記録を見るかぎり、これらの小惑星は大量絶滅は引き起こさなかった。理由はおそらく、衝突地点の岩石の組成にある。

 ギューリック氏は、「チクシュルーブに衝突した小惑星と同じ大きさの小惑星が衝突したときに、同じ規模の変化を大気に生じさせられるような地域は、地球上にはあまりありません」と言う。

 犯人が硫黄であろうと煤であろうと、海保氏の研究は、古代の地球に起きた変化をシミュレーションする気候モデルの評価に役立つ可能性がある。

「それぞれのモデルで硫黄や煤や二酸化炭素が大量に放出された場合にどうなるかを見ていくことで、大気中の化学反応に関する問題を検証することができます」とギューリック氏は言う。「今日の気候変動の影響を考える上でも非常に重要です」(参考記事:「6度目の大絶滅。人類は生き延びられるか?」

文=Michelle Z. Donahue/訳=三枝小夜子

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