インド初、ジュラ紀の魚竜化石を発見、ほぼ完全

大陸南部では極めてまれ、分布や地殻変動の解明に光

2017.10.27
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 インド、デリー大学の古生物学者で恐竜時代の脊椎動物を研究しているグントゥパリ・V・R・プラサード氏にとって、今回の発見は予想外だった。「この地域からは脊椎動物の化石はほとんど出ないと考えられていたので、あまり研究していませんでした」

 プラサード氏は、すぐにこの発見の重要性を理解した。今回の化石は、これまでにインドで発見された魚竜の化石の中で最も完全に近いが、重要な点はそれだけではない。ジュラ紀の魚竜の化石としては初めての上、プラサード氏によると、過去にインドで見つかった魚竜化石はいずれも今回より約5000万年も新しく、かつ、バラバラになった歯や保存状態の悪い脊椎だけだという。

魚竜の発掘作業は容易ではなかった。化石のまわりの岩石は非常に硬く、作業中の気温は35℃以上になった。(PHOTOGRAPH BY GUNTUPALLI V.R. PRASAD)
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「魚竜たちはすべての海に住んでいたようです」

 魚竜が生きていた時代、インドのこの地域は熱帯の海の底だった。ここを泳ぎ回っていた体長5mの魚竜の歯はひび割れ、摩耗していて、硬い鱗に覆われた魚や殻を持つアンモナイトなどの硬いものを食べていたことが分かる。

 研究チームは、インドで見つかったこの魚竜が、もっと北で見つかった魚竜と近い類縁関係にあることも明らかにした。これは、海の怪物が世界的規模で分布していたことの証拠である。

 同じように各地で見つかる無脊椎動物の化石とあわせて、この魚竜の化石は、かつてゴンドワナ大陸に太い海路があり、これが広がって今日のインド西部、マダガスカル島、南米大陸へと分裂していった可能性を示している。(参考記事:「ゴンドワナの名残か、インド洋で発見」

 もしそうなら、インドの魚竜の発見はジュラ紀の海洋生物がどのように広がっていったかという理解にも関係してくる。

「今回の発見は、恐竜時代の魚竜の分布の広さを示しています」とプラサード氏は言う。「恐竜が地上をのし歩いていた時代、魚竜たちは地球のすべての海に住んでいたようです」

文=Michael Greshko/訳=三枝小夜子

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