ノーベル賞受賞者の傾向は? 900人中、女性は48人

115年間の歴代受賞者の内訳を見ると、興味深い傾向が浮き彫りに

2017.10.12
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 たとえば、ノーベル財団の記録によると、核分裂を共同発見したリーゼ・マイトナー氏は、1937年から1965年までの間に物理学賞候補に29回入り、それとは別に1924年から1948年まで化学賞候補に19回入っているが、一度も受賞には至っていない。また、ダークマター(暗黒物質)の存在を明らかにした天文学者ベラ・ルービン氏の画期的研究も高い賞賛を得たが、ノーベル賞を受賞することなく2016年12月25日に死去した。(参考記事:「ノーベル賞を受賞しなかった10大発見」

オーストリア人物理学者のリーゼ・マイトナー氏は、核分裂の研究に携わり、1968年に死去した。ノーベル賞の公式規則により、没後の授賞は認められていない。(PHOTOGRAPH BY CORBIS, GETTY)
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■多くの人々が関わる共同研究の受賞はますます増えている

 ノーベル財団の規則によると、同時受賞は最高で3人までと限定されている。20世紀初頭には少人数の研究チームが主流だったが、昨今の画期的発見は大々的な科学協力の成果であることが多い。それでも選考委員会は、大所帯の研究チームへ科学分野の賞を授与することにいまだ前向きではない。

 特に物理学の場合、研究には数千人の研究者が関与していることもある。2017年の物理学賞は、その代表例だ。アインシュタインの一般相対性理論で予言された重力波「時空のさざ波」の検知に成功したとして、ライナー・ワイス氏、キップ・ソーン氏、バリー・バリッシュ氏に賞が贈られた。(参考記事:「2度目の重力波観測、天文学はいよいよ新時代へ」

 3氏の貢献は偉大であったが、彼ら自身、賞は数百人の科学者を擁するLIGO科学チームへ贈られるべきだったと主張している。『ポピュラーサイエンス』誌によると、重力波の検知を発表した論文には、1011人の共同執筆者が名を連ねている。ストックホルムでノーベル賞に名が挙げられたのは、そのうちわずか0.3%だった。

「今の時代、目覚ましい発見というのは、実際には大掛かりな共同研究の成果である場合が多いのです。それには、非常に多くの人々がそれぞれ重要な貢献をしているわけです」と、ソーン氏はノーベル賞公式サイトに掲載されたインタビューで語っている。

「将来的には、私たちのようにプロジェクトの初期段階に関わった人々だけでなく、これを成功させたチーム全体に賞が与えられるような道を、ノーベル賞委員会には探っていただきたいと願います」

文=Michael Greshko/訳=ルーバー荒井ハンナ

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