ノーベル賞受賞者の傾向は? 900人中、女性は48人

115年間の歴代受賞者の内訳を見ると、興味深い傾向が浮き彫りに

2017.10.12
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■平均すると、科学分野の受賞者の年齢は上がっている

 2017年のノーベル生理学・医学賞、物理学賞、化学賞の受賞者のうち、1人を除く全員が70歳を超えていた。これは、受賞者の年齢が年々上昇傾向にあることを示している。実際、授賞時の平均年齢は過去100年間上がる一方だった。

進む受賞者の高齢化
分野別にみる受賞した時の年齢。団体受賞(すべて平和賞)は含まれていない。 *経済学賞は、ノーベル賞創設者のアルフレッド・ノーベルを記念して1969年に設けられた。(ALBERTO LUCAS, MONICA SERRANO, NGM STAFF. SOURCE: NOBELPRIZE.ORG)
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 英BBC(英国放送協会)による2016年のインタビューで、ノーベル博物館上級学芸員のグスタフ・ケルストランド氏は、学術分野が100年間で大きく様変わりしたと語っている。約100年前、世界には物理学者が1000人ほどしかいなかったが、今では数十万、あるいは数百万人の物理学者が誕生している。その分、「大発見の余剰在庫」も年々増え続けているという。

 作家や経済学者も同様に数は増えてはいるものの、科学分野ほど受賞者の高齢化は見られない。加えて、平和賞は全体的に若者に授与される傾向が強く、最年少受賞者が出ている賞でもある。2014年に、当時17歳の教育活動家マララ・ユスフザイさんが、最年少で平和賞を共同受賞した。(参考記事:「マララさんインタビュー「両親が権利をくれた」」

■受賞者の大部分が男性

 1901年から2016年までの個人受賞者881人のうち、女性の受賞者はわずか48人である。また、数十年間女性の受賞者が全く出ていない分野もある。最後に物理学賞を受賞した女性は、1964年のマリア・ゲッパート・マイヤー氏である。この格差は、科学において女性に対する組織的偏見が根強いことを反映している。ノーベル賞に値する発見が数十年分もたまっていることも状況を悪くしている。

女性の受賞者
女性受賞者の数は増えているものの、男女の格差はいまだに著しい。1901年から2016年までの個人受賞者881人のうち、女性はわずか48人である。(ALBERTO LUCAS, MONICA SERRANO, NGM STAFF. SOURCE: NOBELPRIZE.ORG)
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 ノーベル博物館の学芸員たちは、女性候補者だからという理由で選考委員会が授賞を拒んだことを示す証拠はないと、BBCに語っている。また、1903年の物理学賞選考に際しても、共同受賞者にマリ・キュリー氏を含めるために、規定をわずかに曲げていたとも指摘した。だが、ノーベル賞に十分すぎるほどふさわしい女性科学者たちの多くが、その栄誉にあずかっていないという事実に変わりはない。(参考記事:「不当な評価を受けてきた女性科学者6人」

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