「人食いバクテリア」とは何か? 対処法は?

ありふれた菌だが致死率は約3割、日本では年間100~200人が発症

2017.10.06
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感染症はどのぐらいの速さで広がるのか

 細菌の動きは速い。シャフナー氏によると、感染は1時間に2.5センチの速度で拡大し、短時間で敗血症や多臓器不全を引き起こし、およそ3人に1人は死に至るという。(参考記事:「致死率30%の新興ウイルスが日本に定着している!」

初期症状は?

 主な症状は、発熱や表面的な皮膚の変色ではなく、激痛であることが多い。体の奥深くで組織が破壊されるためだ。「本当にそれとわかる頃には、既に大変なダメージを受けていることが多いです」と、シャフナー氏は言う。

治療法は?

 シャフナー氏によれば、「主な治療法はふたつ。抗生物質を投与することと、手術で細菌を酸素に触れさせることです」。これらの細菌の多くは嫌気性であり、したがって、空気にさらされると死滅する。また、既に壊死したりダメージを受けてしまった組織も切除して、傷の回復を助けることも必要だ。

これらの細菌に一度感染すると、免疫はできるのか

「まさにそれを現在研究中です」と、シャフナー氏。第一に、A群連鎖球菌の中でも特に壊死性筋膜炎を引き起こしやすいタイプがあるのかどうかを特定しなければならない。それから、感染症を発症した患者を調べ、遺伝子が関係しているかどうかを明らかにする。

「咽頭炎にかかる人は多いですが、深刻な疾患に発展する患者はまれです。A群連鎖球菌に感染した場合に、重篤化しやすい遺伝的な要素を持った人々がいるのでしょうか。まだ答えは見つかっていません」

ワクチンの研究は進められているのか

「『はい』とも言えるし、『いいえ』とも言えます」と、シャフナー氏。壊死性筋膜炎の原因となる全ての菌に有効なワクチンは存在しないが、A群連鎖球菌全般に効くワクチンは研究されている。A群連鎖球菌は、リウマチ熱など数多くの疾患を引き起こすためだ。もし、広範に対応できるワクチンが開発されれば、人食いバクテリアに感染した患者をもっと多く救うことができるようになるだろう。

文=Elizabeth Armstrong Moore/訳=ルーバー荒井ハンナ

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