【動画】驚きの体験、無数の魚のトンネルを泳ぐ

「まったく度肝を抜かれた。たとえるなら、大草原に発生する大きな竜巻だ」

2017.09.28
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【動画】魚のトンネルを泳ぐ
魚のトンネルをくぐる感覚を表現するため、写真家のトマス・P・ペシャック氏は自分自身にカメラを向けた。「垂直に下に向かって潜っていくと、魚の群れは大きく口を開き、やがて私の後ろで閉じていった」

 かつての海は、今よりずっと健やかで、多くの魚や生き物たちであふれていたのだろう。現在の海を見て、私たちはついそんな想像をめぐらせてしまう。

 だが、ここカボ・プルモの海は違う。メキシコのバハカリフォルニア半島にあるこの海は、世界で最も成功した海洋保護区とされている。私はここで、「海を守れば、いかに素晴らしい信じがたいことが起きるのか」を証明する、貴重な機会を得た。適切なルールを設け、復元のための適切な努力をしたなら、海は驚くほどの回復力を見せてくれる。

魚群の大きさを表現するため、写真家のトマス・P・ペシャック氏は助手を一緒にフレームに収めた。「人間と比較すると、その大きさが実感できます」(PHOTOGRAPH BY THOMAS P. PESCHAK)
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 写真家として、私が今回チャレンジしたのは、恐ろしいほどの魚の豊富さと、ほかの海の50年前、100年前を想像させる光景を描き出すことだった。(参考記事:「原始の海、はるかなる南ライン諸島」

 撮影をしているときに出会ったこのギンガメアジの群れには、まったく度肝を抜かれた。最初は海底に張り付いているようだった無数の魚の群れが、30メートル上にある海面の方までぐっと伸び上がった。たとえるなら、米国の大草原に発生する大きな竜巻だ。

水面近くの魚群。群れは水深およそ30メートルの海底まで伸びている。(PHOTOGRAPH BY THOMAS P. PESCHAK)
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 海面から見ると、魚群は変幻自在の大きな塊に見えるが、私が海に入って1~2メートル潜ると、その一番上の層が大きく口を開いた。さらに深くへ潜っていくと、魚のトンネルは私の後ろで閉じていった。

 そこには脈を打つ、竜巻のエネルギーのようなものがある。しかし、静止画像ではそれをうまくとらえることができなかったため、私は最後のダイブでカメラを自分に向け、動画を撮影してみた。

「ダイバーと泳ぐ魚は決して同じ動きをしない」とペシャック氏は言う。(PHOTOGRAPH OF THOMAS P. PESCHAK)
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 それはまるで時を遡ったかのような、原初的な体験だった。人間がこれまで海に及ぼしてきた負の影響は消え去っていた。かつてはどこの海も、こんな風だったに違いない。あまりに密度の濃い魚の群れに、太陽の光も遮られてしまうほどだった。(参考記事:「眼前で激写! 人懐こいクジラのすむ海、メキシコ」

文・写真=Thomas P. Peschak/訳=北村京子

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