さよならカッシーニ、ついに土星衝突軌道に突入

ラストコールは15日午後9時頃届く予定、SNSに悲しみの声が続々

2017.09.11
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タイタンとエンケラドスでの大発見

 カッシーニが燃え尽きるのは、偶然にも打ち上げ20周年のちょうど1カ月前だ。1997年10月15日に米国フロリダ州ケープカナベラルから打ち上げられたこの探査機は、2004年7月1日に土星に到着して以来、土星と60個以上の衛星のすばらしい画像を地球に送り続けてきた。

 2004年末には、搭載していた小型探査機ホイヘンスを切り離し、翌年初頭にオレンジ色にかすむタイタンに着陸させた。太陽系で2番目に大きな衛星であるタイタンは、窒素を主成分とする厚い大気に包まれ、その下に広がる油の湖や海を隠している。カッシーニの探査により、タイタンは地球外生命を探すのに最適な場所の1つであることが明らかになった。(参考記事:「まるで地球、衛星タイタンの驚くべき写真」「土星の衛星タイタンに「ビニル製」生命の可能性」

 その後まもなく、カッシーニは小さな衛星エンケラドスの南極のひび割れから噴出している巨大な間欠泉を発見した。エンケラドスは氷に覆われていて、地下には大規模な海があり、タイタンとともに、太陽系内で地球外生命が見つかりそうな場所の1つとされている。(参考記事:「土星探査機カッシーニ、エンケラドスの間欠泉に突入」

 カッシーニにいつまでも土星を周回させておけない理由は、この2つの衛星にある。

 燃料が枯渇し、制御不能になったカッシーニが土星系をうろついていると、どちらかの衛星に墜落し、汚染してしまうおそれがある。そんなことになる前に破壊するのが科学的には最善なのだ。とはいえ、このミッションに関わった科学者の多くは、愛する探査機の死を悲しまずにいられない。(参考記事:「土星の衛星エンケラドスに生命はぐくむ素材」

「毎朝コンピューターに向かい、カッシーニからの最新画像をダウンロードできるのが本当に楽しみでした」と英ロンドン大学クイーン・メアリー校のカール・マレー氏は言う。「はるか彼方の惑星や衛星を見守るウェブカメラを所有しているようなものでしたから」(参考記事:「直径1キロ、土星の環を貫く雪玉」

 カッシーニの死が近づくにつれ、ソーシャルメディアには悲しみのコメントが続々と投稿されている。差し迫った最後の審判にこらえ切れず、毎日叫び続けるツイッターアカウントも含めて。

 これは私たちみんなの声なのだ。

(カッシーニの運命を悲しんで毎日「NOOO(いやだああああ)」と投稿するツイッターボット)

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[ナショナル ジオグラフィック【TV】]
土星探査機カッシーニ:最後のミッション
初回放送:9月15日(金)23:00 ~24:00(再放送あり)
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