北朝鮮を訪れた「最後の米国人旅行者」の写真

渡航が禁止された9月1日の直前の様子を撮影、28点

2017.09.07
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平壌で開かれたイベントで伝統的な舞踊を練習する人々。(PHOTOGRAPH BY DAVID GUTTENFELDER, NATIONAL GEOGRAPHIC)
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 旅行者は旅程に定められた通りに、食料雑貨店、ボウリング場、醸造所、サーカスなどを訪れた。北朝鮮による核の脅威や、最高指導者金正恩とドナルド・トランプ米大統領との舌戦に言及する者は誰もいない。8月末には、北朝鮮が日本の上空にミサイルを飛ばして各国から非難を浴びたが、グッテンフェルダー氏がこれを知ったのは、無線の利用範囲が限られた携帯電話で見たツイッターからだった。彼のほかには誰ひとり、この件について知る者はいなかった。

 それでも、あたりには確かに、軍事衝突の可能性を匂わせる緊迫感が漂っていた。道路脇には、米国に対するバッシングのプロパガンダ広告がいつもより数多く見られた。空港に設けられた子供の遊び場には、子供たちがブロックでミサイルを作っている古い絵が飾られ、いかにも現在の緊迫感にふさわしい雰囲気を醸し出していた。

開城で交通整理をする警察官。(PHOTOGRAPH BY DAVID GUTTENFELDER, NATIONAL GEOGRAPHIC)
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 ツアーの訪問先には、38度線の非武装地帯(DMZ)も含まれていた。そこでは韓国と北朝鮮を二分する中庭を隔てて、両国の兵士が、昔から変わらない無表情な顔でお互いを睨みつけている。(参考記事:「朝鮮半島を分断する38度線の秘話」

非武装地帯の板門店にあるプロパガンダ用モニュメントと一緒に自撮りをする米国人旅行者エイミー・カン氏。(PHOTOGRAPH BY DAVID GUTTENFELDER, NATIONAL GEOGRAPHIC)
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 いつ戦争が起こるかわからないという脅威に煽られ、両国の軍隊は、戦う準備を常に万全に整えてきた。一方、米国人旅行者がこのとき直面していた重大な問題は、目前に迫った渡航禁止の前に、大急ぎで記念品を買い込むことだった。こまごまとした土産類を扱う店では、米国をはじめさまざまな国からやってきた観光客が、切手、アート作品、チョウセンニンジン入りの製品、北朝鮮産の酒に群がっていた。特に人気の高い土産物は、反米国プロパガンダのポスターだった。

平壌と開城の中間にある休憩所では、土産物が売られている。(PHOTOGRAPH BY DAVID GUTTENFELDER, NATIONAL GEOGRAPHIC)
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