「奇跡の恐竜」は新種と報告、色で防御か

ボレアロペルタと命名、カムフラージュ説には異論も

2017.08.07
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
古生物学者のヤコブ・ビンター氏は、赤茶色の色素フェオメラニンがボレアロペルタの下腹部を除く大部分を覆っていたと主張する。だとすると、このツートンカラーは捕食者を避けるのに役立ったのかもしれない。(MANUEL CANALES, NGM STAFF; PATRICIA HEALY. ART: DAVIDE BONADONNA. SOURCES: CALEB MARSHALL BROWN AND DONALD HENDERSON, ROYAL TYRELL MUSEUM OF PALAEONTOLOGY; JAKOB VINTHER; C. R. SCOTESE, PALEOMAP PROJECT)
[画像のクリックで拡大表示]

 ナショナル ジオグラフィックが2017年6月号で報告した「鎧をまとった奇跡の恐竜」がこのほど新種として論文に記載され、8月3日付の学術誌「カレントバイオロジー」に発表された。(参考記事:「2017年6月号:鎧をまとった奇跡の恐竜化石」

 新種恐竜に与えられた名前は、ボレアロペルタ・マークミッチェリ(Borealopelta markmitchelli)。ノドサウルス類と呼ばれる草食の鎧竜で、重さはおよそ1.3トン、今から約1億1000万年前の白亜紀に生息していた。

 この恐竜化石は、これまでに見つかっている同グループの化石としてはきわめて良好な状態を保っている。現在のカナダ・アルバータ州に当たる場所で、死んだ後に海に流され、体が仰向けになった状態で泥の多い海底に沈んだ。そして、体の前半分が驚くほど細部まで保存された。

 2011年に化石が偶然掘り出され、今年5月にアルバータ州のロイヤル・ティレル博物館で公表されると、あっという間に話題となった。鎧竜の解剖学的構造と生活について、前例のない手がかりを世界中に提供したのだ。

「美しい標本です」と話すのは、ロイヤル・オンタリオ博物館の研究者ビクトリア・アーバー氏。やはり保存状態のよい別の鎧竜、ズール・クルリバスタトル(Zuul crurivastator)を研究している。「この化石やズールのような標本に恵まれるのは素晴らしいことです。生きていたときの姿を思い描けますから」

 今回の論文では、恐竜の名前を発表しただけでなく、その秘密をこれまで以上に解き明かしている。「これは特別な化石になると、6年前からわかっていました」と、ロイヤル・ティレル博物館の学芸員であるドナルド・ヘンダーソン氏は話す。「どれくらい特別かは、わかっていませんでしたが」

次ページ:7000時間におよぶ作業

  • このエントリーをはてなブックマークに追加