【動画】鳥が自作の道具でリズム刻む、人以外で初

個体ごとの音楽スタイルも存在、オーストラリアのヤシオウム

2017.06.30
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ドラムスティックを握るヤシオウム(Probosciger aterrimus)のオス。(PHOTOGRAPH BY ROBERT HEINSOHN)
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 米タフツ大学の教授で、音楽認知を専門とするアニルド・パテル氏は、メスはリズムの違いを聞き分けられるかどうかという新たな疑問を指摘した。なお、パテル氏は今回の研究に参加していない。

「一定のリズムを刻めるからといって、基本的なリズムを認知する能力があるとは限りません」。メスが不規則なリズムより規則的なリズムに引き付けられるかどうかも検証する必要があります、とパテル氏は指摘している。

リズムの喜び

 人間の場合、打楽器で一定のリズムを刻むことは、生き物としての本質に深く根差している能力だ。この能力をどのように獲得したかは長年の研究テーマとなっている。かのチャールズ・ダーウィンでさえ、人が先天的にリズムを好むことを指摘している。(参考記事:「「ネアンデルタール人の笛」、動物の仕業だった」

 ヤシオウムのオスはユニークなリズムを刻むが、決して踊ることはない。対して人の場合、ダンスは音楽と密接に結び付いている。(参考記事:「踊る動物に音楽誕生の謎を探る」

空洞になった木をたたくヤシオウムのオス。(PHOTOGRAPH BY ROBERT HEINSOHN)
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 アメリカシロヅルやフウチョウなど、多くの鳥が求愛のダンスを行うが、ヤシオウムは何よりもリズムに関心があるようだ。(参考記事:「ヘンなくちばしをもつ鳥、写真12点」

 また、ヤシオウムのドラムには独演という特徴もある。そのため、ヘインソーン氏は群れの中で学ぶものではなく、純粋に個体の求愛行動として進化したのかもしれないと予想している。

「彼らは人と同じで、リズムの喜びを知っているように見えます」とヘインソーン氏。

「1羽のオスが心地よいドラムのリズムパターンを生み出し、それがメスたちに受け入れられたら、ほかのオスがすぐさま学習し、オスたちの間に広まっても不思議ではありません」

文=Shaena Montanari/訳=米井香織

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