ロープなしで900mの絶壁を初登攀、米ヨセミテ

アレックス・ホノルド氏、岩壁エル・キャピタンをフリーソロで

2017.06.08
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訓練の一環で、ヨセミテ公園内のルート「エクセレントアドベンチャー」をフリーソロで登るホノルド氏。(PHOTOGRAPH BY JIMMY CHIN, NATIONAL GEOGRAPHIC)
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 5月末の三連休に、ホノルド氏はコールドウェル氏と一緒に練習でフリーライダーを登った。2人は5時間半かけて頂上に到達し、自己最速記録を更新した。

 そして、本番の数日前にはエル・キャピタンを別ルートから徒歩で登り、フリーライダーの頂上からロープを着けて下降した。練習で登った際に手をかける位置にチョークで印をつけておいたのだが、その後降った雨で印が消えていないかどうかを確かめるためだ。印は乾いていて、きれいな状態で残されていた。後は、人生最大のクライミングに備えて十分な休息をとり、精神を整えるだけだ。

「何年も前、フリーライダーへのフリーソロ挑戦を初めて心に描いた時、どこもかしこも手ごわそうに見えました。それ以来自分で安全だと感じる枠を少しずつ広げてきた結果、絶対に不可能だと思っていた目標が、可能な範囲内に入ってきたのです」

ロッククライミングの世界で伝説的存在となっているピーター・クロフト氏とアレックス・ホノルド氏。エル・キャピタンのフリーライダーを練習で登攀中、岩棚でしばしの休息。80~90年代にフリーソロの草分けとなったクロフト氏は、「エル・キャピタンのフリーソロは、次の段階として常に頭の中にありました。でも、これを成功させたら、その後に何が待っているのかはわかりません」と語る。(PHOTOGRAPH BY JIMMY CHIN, NATIONAL GEOGRAPHIC)
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 そして6月3日、その可能性はついに現実のものとなった。自分の能力と持久力を信じて正確に歩を進め、恐怖をコントロールし、4時間弱で頂上へ到達した。チン氏とアシスタントのシェイン・レンプ氏は、カメラを持って上からロープで下降し、クライミングの後半戦を追った。道具を使っても、ホノルド氏について行くのは至難の業だった。

 汗まみれになって息をつく間もなく、チン氏は先回りすると、世界の頂点に立ったアレックス・ホノルド氏の姿をカメラに収めた。(参考記事:「中東オマーン 誰も知らないクライミングの楽園へ」

文=Mark M. Synnott/訳=ルーバー荒井ハンナ

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