絶滅したと思われていた毒ヘビ、10年ぶりに再発見

南アフリカで極めて希少な「アルバニーアダー」が4匹

2017.05.17
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環境保護者らは、密猟を防ぐため、この爬虫類が新たに発見された場所を秘密にしている。(Photograph by Michael Adams)
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 「アルバニーアダー」について聞いたことのある人はあまりいないだろう。南アフリカにすむクサリヘビ科の小さな毒ヘビだ。体にある鮮明な模様と、目の上の眉のような突起を特徴とする。この極めて希少な爬虫類は、ほぼ10年もの間まったく見つからず、絶滅したのではないかと思われていた。(参考記事:「幻のヘビを64年ぶりに発見、世界一希少なボア」

 ところが、先頃ある爬虫類学者のチームが、なんと4匹のアルバニーアダーを発見したと発表した。それらは生きていて、健康な状態だった。

 2016年11月に、この久しく目撃されていないヘビを探す遠征隊は出発した。1週間にわたって茂みの中を探し回り、岩を持ち上げ、穴の中を注意深くのぞき込んだ後に、チームのメンバーのマイケル・アダムス氏が、道を横切って這っていく長さ15センチのメスを見つけた。

このヘビについては、毒の強さを含め、ほとんど何もわかっていない。(Photograph by Michael Adams)
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「あれほど抱き合って喜んだことは、ほかにないと思います」と、この調査をレインフォレスト・トラストと共に行った絶滅危惧野生生物トラスト(EWT)の現場職員、グラント・スミス氏は語る。「文字通り、抱き合って飛び跳ねました」(参考記事:「猛毒ヘビ「デスアダー」の新種を発見、豪州」

謎だらけの希少ヘビ

 さらに驚くべきことに、このチームは4匹もの生きたアルバニーアダーを発見した。それでも、1937年にこの種が特定されてから、わずか12の個体しか記録されていないことになる(このチームは、車にひかれて死んだ5匹目のヘビも発見している)。

 この種の生息数は極めて少ないと考えられる。「世界中で最も絶滅に近い種の一つであることは間違いないでしょう」と語るのは、ブライアン・マリッツ氏。彼はこの遠征には参加していなかったが、国際自然保護連合(IUCN)クサリヘビ専門家グループの地域調整官である。

 このヘビにとって、最大の問題は生息地の消失かもしれない。これまでに発見された場所は、わずか数カ所の低木と茂みが入り組んだ小さな区域だけだ。さらに、その生息域が縮小している可能性もある。(参考記事:「銀色の新種ヘビ発見、絶滅の恐れも、バハマ無人島」

保護団体は、この希少なヘビの生息地の保存に取り組んでいる。(Photograph by Michael Adams)
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「過去には近隣の地域にもいたという記録がありますが、それらの地域では40年以上も1匹も見つかっていないため、その個体群は絶滅したと考えられます」と、南アフリカのウェスタンケープ大学の爬虫類学者でもあるマリッツ氏は述べている。

 採掘、都市化、そして路上で死んでいたヘビがいることからわかるように、車の往来もこの種に危害を及ぼす可能性がある。(参考記事:「車にひかれたヘビ、実は新種だった、キルギス高地」

密猟を警戒

 アルバニーアダーが発見された正確な場所は、密猟を防ぐため、秘密にされている。これまで闇市場でこの種が見つかったことはないものの、あえて危険を冒す理由はない。「このヘビの居場所と探し方をコレクターに知られたら、本当の脅威になりかねません」(マリッツ氏)

 大変なのはこれからだ。例えば、このヘビの食事、生殖、行動については、専門家にもほとんど何もわかっていない。「アルバニーアダーに噛まれた実例がないため、その毒の強さについて、本当のところは誰にもわかりません」と、EWTのスミス氏は説明する。

 このヘビがドードーのように絶滅してはいなかったことを知った保護団体は、その未来を確保するため、残った生息地をできるだけ多く買収しようとしている。(参考記事:「ドードー、絶滅種再生の可能性」

「生息地を守ることができれば、そのほかのことも併せて進められるのではないかと考えています」(スミス氏)

【参考動画】舌を虫のように見せて獲物をおびき寄せるパフアダー(解説は英語です)

文=Jason Bittel/訳=山内百合子

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