【動画】はしゃいだオットセイがカヤックに衝突

ナミビアで人気のオットセイ観察ツアー、専門家の見解は

2017.05.15
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オットセイ猟で年間8万匹以上が

 だがナミビアにおいては、エコツーリズムや観察ツアーの参加者によるこうした干渉はまだ人道的な方と言える。この国では毎年、オットセイ狩りが行われ、大きな利益を生んでいるのだ。

 ウォルビスベイの内外で見られるオットセイは、10万匹にも上る。ナミビア政府は、1年に捕獲可能なオットセイを幼獣8万匹、オスの成獣6000匹と定めている。EUは2010年以来、輸入されたオットセイ製品の売買を禁止しているが、毛皮と脂肪はそれぞれトルコと中国に定期的に輸出されている。(参考記事:「アフリカ南部の海 保護と漁のはざまで」

 仮に、今回のように観光客がカヤックに乗ってオットセイに近づくということを米国で行った場合、海産哺乳動物保護法に触れる可能性がある。同法は人間と海洋哺乳類との関わり方についてガイドラインを定めており、特定の行為をすると犯罪となる。

 イルカやオットセイを観察する場合、同法が推奨する距離は最低150フィート(約46メートル)だ。

 サモンさんが参加したオットセイ観察ツアーは、ウォルビスベイのおよそ130キロ北で行われた。ここでは5万匹ものオットセイが大きなコロニーを作っているのが見られる。ツアー会社は縄張りを持つオットセイと人間との接触を防ぐため、海岸から約45~180メートル離れたところをカヤックで進むことに決めている。

 水中で長時間を過ごすオットセイは多くの場合1~2歳くらいで、人間で言えばティーンエイジャーだ。色鮮やかで動く物が水中にあれば、とにかく近寄ってくる。サモンさんらツアー参加者はパドルでオットセイに触れることもでき、オットセイはパドルに興味を持って噛み付いたりしていた。

「彼らはとても好奇心が強く、新しい物には何でも興味を持ちます」とマシューズ氏は説明する。ネズミイルカなど、他の海洋哺乳類とじゃれることもわかっているという。

 こうした愛くるしい海洋哺乳類と交流したいという誘惑にマシューズ氏は理解を示すが、推奨はしていない。人と動物、双方の安全が脅かされるリスクがあるからだ。

 大まかな目安を彼女が教えてくれた。「もし動物と目が合うようなら、たいてい近づきすぎです」(参考記事:「【動画】アザラシがカヤックに乗ってきた!」

文=Sarah Gibbens/訳=高野夏美

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