【動画】はしゃいだオットセイがカヤックに衝突

ナミビアで人気のオットセイ観察ツアー、専門家の見解は

2017.05.15
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【動画】海から跳び出したオットセイがカヤッカーに激突(解説は英語です)

 人生、痛い目に遭うこともある。ときにはそれがオットセイの仕業ということも・・・。

 アフリカ南西部、ナミビアのウォルビスベイ沖で行われたオットセイ観察ツアーでのことだ。ミナミアフリカオットセイの一群が水面で戯れているところを、参加者たちがカヤックで通過した。ミハイル・サモンさん夫妻が撮った映像には、オットセイが水面で跳びはねる様子が映っている。ところがその直後、はしゃぎすぎたオットセイがカヤックと衝突してしまった。

 オットセイは体重100キロを超えていた可能性もあるが、幸い、人間にもオットセイにも大したダメージはなかった。(参考記事:「【動画】ホホジロザメがダイバーの入った檻に突入」

オットセイの「イルカ跳び」

 オットセイが現れたとき、サモンさんは妻のすぐ後ろでカヤックを漕いでいた。このハプニングを「黒い何かが水から飛び出してきた」ように見え、いきなり妻にぶつかったと振り返る。

 サモンさんの妻は平気だったようで、この出来事の間ずっと笑っているのが映像からわかる。「ウエットパンツがぬれただけで、被害はありませんでした」とサモンさん。「あのオットセイの方がよほどびっくりしたに違いないと、みんな気の毒がっていました」

 今回の衝突は、オットセイの「イルカ跳び」と呼ばれる行動によるもの。高速で移動する際、水からジャンプして出たり入ったりを繰り返す。もともとオットセイは好奇心旺盛なので、自分たちがすむ海を通っていくカヤックをよく見ようとしたのだろう。オットセイは陸上だと人間を警戒することがあるが、水中なら何かあっても素早く逃げられるため、人やボートに近づいてくることが多い。

 オットセイやアザラシは、切なそうな大きな目と陽気な性格から人に好かれ、「海のイヌ」とも呼ばれる。だが彼らはペットではなく野生動物であり、十分な空間が必要だということを忘れてはならない。

「科学者として、オットセイが人間への接近をいかに楽しんでいるかという話を見聞きするのは好きではありません」と話すのは、米シラキュース大学でオットセイやアザラシを研究する博士課程終了後の研究員、リアナ・マシューズ氏だ。

 オットセイと一緒に泳ぎたいという誘惑について、マシューズ氏は「彼らが本当にかわいいというのは同意します」と話した。「やってみたくなることではあります」。しかし、オットセイは野生動物であり、追い詰められたり脅かされたりしていると感じれば噛み付いてくることがある。その歯は肉をかみ切れるほどの力があり、それによって病気がうつる可能性もある。(参考記事:「命や手足を失わずに野生動物の傑作写真を撮る方法」

 人とオットセイの接触は、動物の側にも危険がある。海洋哺乳類の通常の行動が乱されれば、移動や採餌、避難といった欠かせない機能が影響を受けるかもしれない。

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